ちょっと前に、Internet Explorer11(IE11)を非推奨とするWebサイトを開くと、Microsoft Edge にリダイレクトされる件をご紹介いたしました。
もちろん前回も書きましたように、"IE11" をいつまでも使っているよりは、"Microsoft Edge" に乗り換えていただく方がいい ことは、繰り返して言うまでもないわけです。
前回もその一例として、YouTube や Twitter などがリダイレクトされることをご紹介したわけですが、でもなぜ、"IE11" でそうしたサイトに接続したら、"Microsoft Edge" にリダイレクトされるのか?
気になったので調べてみました。
【さまざまプラットフォームに対応した Microsoft Edge】
日々進化し、新しい技術が取り入れられている昨今のWeb事情を考えると、すでに開発が止まって新しい機能が追加されない "IE11" では対応できないページもあります。そしてそれに代わる新しいブラウザとして、新しくなった "Microsoft Edge" が提供されているわけでもあります。
Microsoft Edge は、現在 Windows、Mac、Android、iOS 向けに提供が始まっています。さらにこれに加え 2020年5月 に開催された "
Build 2020" では、
Linux版 の提供も予定されていることが明らかになりました。本当にすべてのプラットフォーム向けに提供されるんですね。
【"IEToEdge" というアドインが追加されていた】
Microsoft Edge にリダイレクトされるようになった背景には、すでにかなり前に "IE11" の開発もストップし、加えて Microsoft 365 といった Microsoft 製品でもサポート終了が近づいていること、これまでにも触れたような YouTube やら、Twitter などのように、"IE11" を推奨環境としない Web ページが増えつつあることがあげられます。
こうした背景踏まえ、引退間近の IE11 に変わって、新しい Microsoft Edge にスムースに移行してもらおうという、"IEToEdge BHO" というアドインが、IE11 に組み込まれたわけです。今回のアドインは、Microsoft Edge にスムースに乗り換えてもらおうという意図も多々あるものと思われます。
Internet Explorer を開いて、ツール>アドオンの管理 と開いて、"ツールバーと拡張機能" の中に、この "IEToEdge BHO" というアドオンが追加されていることが確認できます。
ただしこのアドオンについては、通常のアドオンのようにクリックしても 有効・無効 の設定を変更することもできないようになっています。
【制限されているWebサイト】
"IE11" から "Microsoft Edge" にリダイレクトされるのは、当然ながら何も日本に限ったことではなく、海外でもいろいろ話題になっているようでした。
そしていろいろ探していてたどり着いたのが以下のXMLページ。XMLのページに、リダイレクトされるWebサイトの一覧がありました。
「-<site-list version="4">」と始まるこのリスト。
-<site url="****.com">
<open-in allow-redirect="true">MSEdge</open-in>
</site>
という形で、リダイレクトされるサイト名ごとに「<open-in allow-redirect="true">MSEdge</open-in>」が指定されています。
これがいつどんなタイミングで更新されていくものかは不明ですが、確かにこちらにあるサイトを、IEで開こうとすると、Microsoft Edge にリダイレクトされることが確認できました。
リストを見ると、以前ご紹介した YouTube や Twitter 以外にも、apple.com やら、starbucks.com などなど聞き覚えのある企業の Web サイトもたくさんあるようです。
【IEToEdgeのアドインを無効にする】
ここでは、IEToEdge BHO を無効にして、YouTube などのサイトが、リダイレクトされることなく "IE11" で表示できるものか?どうかを確認・検証してみることにします。
上記の画像のようにアドインの管理の画面を開いても、このアドインについては通常のアドインのように有効・無効 を切り換えられないことがお分かりいただけると思います。
では無効にすることはできないのか....??
今回は、Microsoft が公開している "Autoruns for Windows" というツールを利用してみました。
ダウンロードなどについては省略させていただきますが、上記の Microsoft のサイトより、"Download Autoruns and Autorunsc" をクリックすればダウンロードが可能です。ダウンロードされた ZIP ファイルを展開するとその中に実際に使用するプログラムが表示されます。
Autoruns を起動して、"IEToEdge" を検索します。これを行うにあたっては、当然ながら事前に IE11 は終了しておいてください。
検索された、"IEToEdge" のチェックをはずして、Autoruns for Windows を閉じるボタンで終了します。今回は、この後IEを起動した段階ですでに、"IEToEdge" は表示されなくなっていましたが、念のためPCは再起動しておいた方がいいかもしれません。
再起動後、再度、IEを開いて、アドオンの管理を開くと、"IEToEdge" がなくなっていることが確認できました。
** 有効に戻す場合には、再度、Autoruns for Windows を開いて、IEToEdge を検索し、チェックを入れて、オンにすれば元に戻ります。
【BHOをリネームする】
アドオンが有効な状態で、"IEToEdge BHO" のアドオンを選択して、"詳細情報" をクリックすると、実際に参照しているアドオンの場所が確認できます。
最初の方でも上記の画像では、"フォルダ―" のところに、
C:\Program Files\Microsoft\Edge\Application\85.0.5564.41\BHO
にあることがわかります。
国内外のサイトいくつかのサイトでは、この "BHO" フォルダをリネームしてしまうという方法で、アドインを実行しないようにしているところもあるようです。ただしこのフォルダをリネームするという方法は、果たして他に何か?影響ないのか何とも言えません。
そういう意味では、単純に "IE11" 側のアドオンを無効にしてしまう方がリスクも少ないんじゃないかな?と考えています。
ちなみに、うちの Windows 10 Ver.1909(18363.1049) には、実はまだ新しい Microsoft Edge が更新できていません。Dev 版は入れてますので、Edge のフォルダをたどっていくと、ちゃんと "BHO” フォルダもあり、"ie_to_edge_bho.dll" も存在します。特別ブロッカーツールでブロックしているわけでもないんですが...
なので、IE11 にもアドインが追加されていないため、IE11 で YouTube も普通に表示されます。さすがに以前ご紹介したように、Twitterは "このブラウザは現在サポートされていません" となってダメですが...
今回、Microsoft Edge にリダイレクトされることが気になってちょっと調べてみましたが、繰り返して言いますが、"IE11" にこだわる必要はなく、"Microsoft Edge" をご利用いただくのが一番なのは変わりません。こうした設定を推奨するものではありませんので、ご注意ください。
【2020/12/2 更新】
最近本記事へのアクセスが多いようですが、以下の記事もご参照ください。Part 2 では、Microosft Edge 側での設定変更方法を取り上げております。
<参照>
そして最近、TV CM になってちょっと気になっているあれ?