macOS が稼働している環境で、 ZIP 圧縮されたファイルに PW を付けてセキュリティを強化したい...
Windows であれば、Windows 標準機能では、PW を追加する機能もないため、何かしらフリーウェアなどを利用する必要があるわけですが、 Mac の場合には、基本的に、macOS の標準機能で対応が可能です。
ただし、その操作によっては、ZIP ファイルを破損させてしまうケースもあるようなので注意が必要になります。
【macOS でZIPファイルを作成する】
macOS にて、ZIP ファイルを作成する方法は、ターミナルを利用する方法の他にも、Finderなどを利用しても ZIP 圧縮することが可能です。
-- ターミナルの利用:
ターミナルを利用して、ZIPに圧縮する場合には、ZIPコマンドを使用します。
1) ターミナルを起動
2) "zip -r" を使用して、ZIP圧縮
< 書式 >
zip -e [圧縮後のファイル名] [圧縮するファイル名]
zip -e:ファイル・フォルダを圧縮(パスワード付き)
zip -r:ファイル・フォルダを圧縮
zip -e -r:ファイル・フォルダを圧縮(パスワード付き)
例:
・1つのファイルをZIP圧縮する場合
zip -r プレゼン.zip プレゼン資料.pptx
・複数のファイルをZIP圧縮する場合
zip -r プレゼン.zip プレゼン資料.pptx プレゼン資料2.pptx
【パスワード付きのZIPファイルの作成】
さてよりセキュリティに配慮して、ZIP圧縮する際にパスワードをつけたい... そんなケースはあるかと思います。Windows の場合には OS 標準の機能では対応できないので、気軽に利用できる Lhaplus やら、優秀な 7-zip などのようなフリーウェアやシャアウェアなどに頼る必要があります。
一方、macOS はというと、逆にフリーウェアなどは非常に少ない。でも先ほどの "ターミナル" を利用してパスワード付きZIPファイルを作成する方法が用意されています。
続いてこうしたパスワード付きZIPファイルを作成する方法についてみていきましょう。
その方法としては、
- ZIPコマンドを使用する
- ZIPCloakコマンドを使用する
の2つの方法が用意されています。
1) ZIP コマンドを使用する:
まずは一番オーソドックスで間違いない方法からご紹介します。それが、ZIPコマンドを利用する方法です。
例1:ファイル単体を圧縮する
zip -e プレゼン資料.pptx
例2:複数のファイルを圧縮する
zip -e -r プレゼン.zip プレゼン資料.pptx プレゼン資料2.pptx
コマンドを実行すると、上記の画像にもあるように、最初にPWの入力画面が。つづいて、確認入力の画面になってファイルが完成します。
当然ながら、作成されたZIPファイルを開こうとすると、上記のようにPWの入力画面が表示されて、正しいPWが入力されれば、無事解凍されて、今回の例でいうと、"プレゼン資料.pptx" というファイルが表示されることになります。
2) ZIPCloakコマンドを使用する:
さてもう一つの方法は、予め作成されたZIPファイルを "zipcloak" コマンドで、PW付のZIPファイルにするという方法。一応これも macOS 標準搭載の機能になります。
しかし、こちらは、ちょっと問題があります。
ZIPCloak コマンドは、ZIP ファイルにパスワードをつけるためのコマンドになります。
--ファイルが解凍できない例:
ZIP で圧縮されたファイルを、zipcloak と入力したうえで、ターミナルの画面にドラッグ&ドロップします。
すると一応、PWが付いたZIPファイルは作成されます。しかし、ターミナルの画面には、"zipcloak warning〜" なんて文言も。CRCがマッチしないといった警告。
こうして作成された、PW付きの ZIP ファイルは、解凍の際に、正しいPWを入れてもはじかれてしまいます。
《要因》
これは、Finder でZIP圧縮されたファイルの場合こうしたエラーになってしまうようです。ただし、macではこうしたエラーで開けなくなるファイルでも、Windows であれば、7-zip を使用すれば開けるといった報告もあるようです。
-- ZIPCloak コマンドで圧縮しても問題ない例:
1) まずは、最初にご紹介している、ZIP コマンドで、ZIPファイルに圧縮しておきます。
例: zip -r プレゼン.zip プレゼン資料.pptx
2) 続いて、ZIPCloak と打ち込んでから、ターミナルの画面に、"プレゼン.zip" ファイルをドラッグ&ドロップして、PWを設定していきます。今回はエラー表示なく完了していることがお分かりいただけると思います。
3) 最後に、確認のため、ZIPファイルを解凍してみます。
今回は、PWも認識され、正常に解凍されることを確認いたしました。
以上のように、ZIPCloak コマンドを使用する場合、どうやってZIPファイルに圧縮しているか?によっては、PW付ファイルを作成してもPWを入れても開けなくなってしまいます。どうもいろいろ検索してみると、macOS BigSur Ver.11.0 あたりからこの症状は確認されているようですが、現在の macOS Sonoma でも同様でした。
ZIP で圧縮して、さらに ZIPcloak で PW をつけるなんて、2度手間ですから、そういう意味では、最初から、ZIP コマンドでPW付圧縮ファイルとして作成した方が、よさそうですね。
<参照>
posted by クリック at 12:02| 東京 ☀|
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