「Excel 2016」と言えば、すでに 2025年10月14日 にサポートも終了している製品になるので、更新プログラムも配信されていません。また当然ながら、「Office 2016」、「Excel2019」「Office 2019」 についても同様に 2025年10月14日 にサポートが終了しています。
これらの製品は従来からある「固定ライフサイクルポリシー」に基づいてのものになります。
※ 現在の製品はすべて「モダンライフサイクルポリシー」に基づいています。
これは、基本的に 一般向けのクイック実行版でも、さらには法人向けのLTSC版(ボリュームライセンス版)であっても同様です。
なので、今回ご紹介するトラブルを回避する一つの手段としては、最新バージョンに乗り換える(買い替える)という方法は、一番確実で安全な方法になることは紛れもない事実です。もちろんちゃんとサポートも受けられますから、何かの不具合が見つかれば、サポートもしてくれますし、プログラムの修正も速やかに行われることでしょう。
【8月、9月に配信された更新プログラムの影響】
さてそんな本来であれば更新も提供されないはずの Office 2016 や Office 2019 なわけですが...
Office 2016 :
Office 2019:
といった形で更新プログラムが提供されています。
ただしこれらは「Windows インストーラー (MSI) を使用しているバージョンの Office の最新の更新プログラム」にもありますが、あくまでも MSI版 向け(法人向け)のボリュームライセンスで提供されているプログラムに対してのもの。「Office 2016 C2R および Office 2019 の更新履歴」の「重要」にもありますが、あくまでも「Microsoft の独自の裁量により、2025 年 10 月 14 日以降に Office 2019 に 1 つまたは複数の更新プログラムを発行することを選択する場合があります」とあるように MSI版のみを対象として提供されたものです。
なので今回ご紹介するトラブルは、一般向けのクイック実行版(C2R版)には提供されていませんし、トラブルに遭遇することもありません。
【2つの更新プログラム】
どうしても提供せざるを得なかった背景には、
にあるようなセキュリティの問題があります。
- Microsoft Excel のリモートでコードが実行される脆弱性
- Microsoft Excel の情報漏えいの脆弱性
簡単に言うと上記のような2つの不具合が見つかったので、法人向けには Windows Update を通じて特別に提供されているものでした。リモートでコードが実行されちゃったり、情報漏洩なんて問題を抱えてたりするわけで、更新プログラムは必須になります。
しかし実はこれらが今回のトラブルの要因ともなっています。
具体的なトラブルの内容は、すでに Microsoft Q&A にもいくつか上がっていますので、参考にしてみてください。
具体的には、
- 互換モードのファイルが開けない【Excel2016】
- ファイルのコピーやペーストが従来通りできない【Excel2016/2019】
といった内容です。
上記は、「Excel 2016 用のセキュリティ更新プログラムについて: 2026 年 9 月 8 日 (KB5002914)」の中でも既知の問題として、
Microsoft Excel 2024、2021、2019、および 2016 では、貼り付け操作がサイレントに失敗する可能性があります。 ユーザーがコンテンツを貼り付けようとしても、ソースは選択されたままで、コピー先は変更されません。 この問題が発生した場合、ユーザーはビープ音やエラー メッセージなどの障害の兆候を受け取りません。 Microsoft はこの問題を調査しており、情報が利用可能になり次第、この記事に詳細を掲載する予定です
とあるようにすでに現在は調査中となっていますので、今後の更新で改善する可能性はありますので、お急ぎでなければお待ちください。
【回避策】
冒頭にも書きましたが、基本的にはサポートが終了している製品でもあるので、Office 2024 や Microsoft 365 の最新チャンネルとかであれば問題はないものと思われますが、現状での回避策について確認してみました。
-- xls ファイル(互換モード)データが開ない問題:
これは8月11日に提供された「KB5002903」が適用された Excel 2016 で発生している問題です。これ自体は9月の更新適用後も依然と開くことはできません。
互換モード(.xls)ではなく、現在の Excel形式(.xlsx)に変更すれば、Excel 2016 でも開けるようになります。あくまでも互換モードのデータが開けないだけです。
[変換方法1]
ローカルPCでは、開けないものの、いったん OneDrive にあげてダウンロードしなおすという方法があります。
- ファイルを変換するだけであれば、OneDrive にいったんファイルをアップロード
- アップロードが完了したら、OneDrive から、ファイルを選択し、ブラウザで開きます
- 続いて、ファイル>コピーを作成する>コピーをダウンロード とすれば、「xlsx」形式でダウンロードされます
【注意】
ここで注意が必要なのは、この xls ファイルにマクロが含まれている場合。単純に、xlsx ファイルに変換してしまうと、マクロがなくなってしまいます。なのでマクロが含まれているファイルの場合にはこの方法は利用できません。
[変換方法2]
極めて限定的にはなりますが、Microsoft 365 などが利用できる環境にあれば、Excel 365 などで、xls ファイルを開いて、xlsx 形式に変更する方法があります。
ただしこの場合、やはり xlsx 形式を選択してしまうと、やはりマクロはなくなってしまうので、ファイルの種類については、xlsm 形式(Excel マクロ有効ブック)で保存しなおす必要があります。
-- コピー&ペーストができなくなる問題:
こちらは9月8日に提供された「KB5002914」にて確認されているトラブルです。こちらについては、先ほどもご紹介したように「Excel 2016 用のセキュリティ更新プログラムについて: 2026 年 9 月 8 日 (KB5002914)」の中でも、既知の問題として現在対応中であることが記されていますので、今後、更新されて改善する可能性はあると思われます。
-- シートのコピーで「このシートをコピーできませんでした」となる問題:
「Excel2019で「このシートをコピーできませんでした。」のエラーが表示される」にもありますが、こちらは、Windows Update ではなくて、Office の更新プログラムの問題のようです。
サイトにもあるようにロールバックすることで以前のバージョンに戻して回避する方法があります。
2026 年 9 月 8 日 にリリースされた Ver.1808 (ビルド 10417.2020) の場合には、Ver.1808 (ビルド 10417.20197)にロールバックすることで改善に至っているようなので、ロールバックしておいて、更新しない設定に一時変更。フィードバックして、次の更新で改善されるか?様子を見ることになるかと思います。
コピー&ペーストの問題については、「Excel 2016 用のセキュリティ更新プログラムについて: 2026 年 9 月 8 日 (KB5002914)」の中、「Microsoft Excel 2024、2021、2019、および 2016 では、貼り付け操作がサイレントに失敗する可能性があります」ともあるので、Excel 2016 や Excel 2019 だけの問題でもないのかもしれませんが、手元の Excel 2019(C2R版/Office Professional Plus) では、MSIと異なりバージョンもかなり進んでいること、またMSI版ではないため更新プログラムが適用されないので、再現性がなく問題は確認できていないため検証できませんでしたので、Microsoft Q&A の事例を参照にご紹介させていただきました。
気になるExcelのトラブルですが、引き続き何か?続報があれば、また改めてご紹介させていただきます。
【2026/09/21更新】
Excel 2024 でも発生していることは、Microosft Q&A 上でもいくつか上がってたので確認はしましたが、一応収束には向かっているようです。
修正バージョンは以下の通りです。
- Office LTSC 2024 :ビルド 17932.21000
- Office LTSC 2021 :ビルド 14334.20918
- Office LTSC 2019 :ビルド 10417.20208
- Office 2016:KB5002665
一応どれも「軽減」とありますので、完全に修復に至ってはいないようです。「ブックに条件付き書式が含まれていると、貼り付け操作が失敗し続ける」といったこともまだ確認されているようで、「回避策」についても提示がありますので、詳細は、「Excel で貼り付け操作が失敗する可能性があります」をご参照ください。
<参照>
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