ちょっと前の記事ですが、取り上げ忘れていたのでご紹介させていただきます。
Word などの Office アプリにおいて数式の取り扱いは一つの課題ともなっています。LaTeX などで作成された数式を、Word の中に取り込みたい...そんなところで苦労されていた方もいらっしゃるかと思います。
もちろん用途的に限られたものになるので、一部のカテゴリーの方のみがメインで使用する機能にはなるわけですが、こうした機能についても担当チームはフィードバックを受けて、その声を生かすように取り組んでいます。
【大幅に強化されたLaTeXのサポート】
今回、LaTeX・MathML・PDF 2.0 の対応が進化。これに伴い教育・研究・アクセシビリティの現場で数学コンテンツをより扱いやすくするためのアップデートが Microsoft 365 Insider (Beta Channel) に登場しました。
-- 強化されたポイント:
クリップボードを経由して、Officeの各アプリに取り込んだ後、LaTeX式をネイティブのOffice Mathとして貼り付ける。あるいはExcelでは、テキストをシェイプやSmartArtに貼り付けることもできるようになります。
- Word / PowerPoint / Excel / OneNote に より完全な LaTeX 対応
- 多くの LaTeX コマンドを新たにサポート
- \newcommand / \renewcommand / \def などのユーザー定義マクロも利用可能に!
- mhchem の \ce コマンド に対応し、化学式も正しく変換
- LaTeX を貼り付けるだけで ネイティブ Office Math に自動変換
- Office Math ⇄ LaTeX の相互変換も改善
-- MathML Core との高い互換性:
MathML Core は、Web 標準の数式表現仕様。つまりブラウザを介してWeb上で数式を表現する手法ということになります。この、MathML Core については、Microsoft 365 では、Beta Channel の Word、PowerPoint、OneNote、および Excel で、クリップボード、支援技術で使用されるアクセシビリティツリー、PDF、および Open Document Format において MathML Core が提供されるようになりました。
- Word / PowerPoint / OneNote / Excel が MathML Core をクリップボード・アクセシビリティツリー・PDF・ODF に出力
- Web 標準に沿った MathML Core を生成し、主要ブラウザで正しく表示できる
- MathML 3 を読み込み、MathML Core に変換して出力可能
- Web や支援技術との互換性も向上
-- PDF 2.0 によるアクセシブルな数学 PDF:
- Word / PowerPoint の PDF 出力が MathML を PDF 2.0 の「associated files」として埋め込み
- スクリーンリーダー(JAWS, NVDA+MathCAT, VoiceOver)で数式を読み上げ可能
- STEM 教育や研究でのアクセシビリティ向上に大きく貢献
- 現時点では Windows の Word / PowerPoint(Beta)と PowerPoint for Web が対応
- Mac / iOS / Android / Word for Web も今後対応予定
【利用可能なバージョン】
今回の新機能ですが、利用可能な製品は以下の通りです。
- LaTeX / MathML Core
- Windows: Version 2606 (Build 20105.20000) 以降
- Mac: Version 16.110 (Build 26050500) 以降
- PDF 2.0 数学アクセシビリティ
- Windows: Version 2605 (Build 20018.20000) 以降
- PowerPoint for Web
LaTeX・MathML・PDF の数学ワークフローを根本から改善し、「誰でも読める・使える数学コンテンツ」 を実現する方向へ大きく前進。
教育者・研究者・学生・アクセシビリティ支援者にとっては、非常に大きなアップデートともいえるのかもしれません。
教育者・研究者・学生・アクセシビリティ支援者にとっては、非常に大きなアップデートともいえるのかもしれません。
<参照>
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