6月末に「個人ユーザーのみ無料で Windows 10 の延長サポートを提供!」という記事を取り上げましたが、すでにご存じの方も多いかもしれませんが、今回はこの続きとして具体的な流れについて確認してみました。
もともとは、US時間6月24日に公開された Windows Blogs「Stay secure with Windows 11, Copilot+ PCs and Windows 365 before support ends for Windows 10」にて発表されたもの。実は、同時に Microsoft の Support サイトにも「Windows 10 Consumer Extended Security Updates (ESU) program」と言う記事が Up されておりました。
その詳細な手順についてはこちらで公開されておりました。改めてその内容について確認しみました。
【「ESU」とは?】
今回個人向けに1年間無償で提供されるされる「ESU」(Extended Security Updates)とは、それまでであれば法人向けに移行措置の一環として提供されていた拡張セキュリティ更新プログラム。これが、Windows 10 については、個人向けにも最大3年間、当初より提供されるとされていたもの。
Windows 11 に更新できなくても、一定期間であればその移行措置として Windows 10 の PC を引き続き使用するにあたって、より安全なオプションを提供。マルウェアやサイバーセキュリティ攻撃のリスクを軽減するためのもの。
このプログラムの適用期間は、Microsoft Security Response Center (MSRC) で定義されている重要なセキュリティ更新プログラムを受け取ることが可能になります。つまり最低限のリスクを回避することが可能になるわけです。
ただし、
- 他の種類の修正
- 機能の改善
- 製品の機能強化
- テクニカルサポート
は一切ついてきません。
これは当然ながら、2025年10月14日以降は、製品の正式なサポートが終了するからです。
ですから、Windows 10 にアプリをインストールしても正しく動作しないとか、こういった不具合が発生すると言ったことがあっても、それが MSRC で定義されている重要なセキュリティに関連しているものではない限り、どうにもなりません。
当然ながらESU期間とはいえ、サポートが終了したOSである以上、他社のソフトメーカーや、ハードウェアメーカーも、Windows 10 を動作保証対象外から外してくるケースも多々あるでしょうから、こうした機器やソフトが起動できない場合には、Windows 11 で使ってください...ということになるわけです。
【「ESU」を1年間無料で利用するための要件】
既に様々なメディアでも紹介されていますが改めてご紹介いたします。
-- 要件:
・対象製品:Windows 10 Ver.22H2 Home、Professional、Pro Education、あるいは Workstation エディション
・更新プログラムがきちんとインストールされていて、最新の状態であること
・PCにサインインしているアカウントが Microsoft アカウントであること、そしてそのアカウントが管理者であること
(ESU ライセンスは Microsoft アカウントに関連付けられます)
(ESU ライセンスは Microsoft アカウントに関連付けられます)
・キオスクモードなどの商用デバイスでは利用できません
PCにログインしているアカウントが、管理者アカウントであってもローカルアカウントでは基本的にはダメなようです。ただしこの場合でも、Microsoftアカウントへのサインインが求められた際に、ちゃんとサインイン出来れば良さそうですね。
-- 費用:
さて肝心の費用。ESUについては、これまで通り有償での提供もされるので、有償・無償を含め以下の3つの方法が用意されています。
- PCの同期をしてOneDriveにデータをバックアップしているケース(無料)
- Microsoft Rewardsポイント: 1000 pt で支払うケース
- 当初から予定されていた 30ドル(1年間/1年目)を払って利用するケース
ESUプログラムに登録する際にこの3つの選択肢が表示されるようです。この後で改めてご紹介します。
-- 対象デバイス:
Microsoft アカウント に紐付けられる ESU ライセンスについては、最大 10 台のデバイスで使用可能
-- 対象期間:
2026 年 10 月 13 日 まで
これ以降は引き続き有償にて ESU を利用するか? Windows 11 の PC に乗り換えるなどの対処が必要になります。
【ESUの登録手順】
前回の中でもご紹介しましたが、一応「本日より、登録ウィザードは Windows Insider Program で提供され、7 月に Windows 10 のお客様向けにオプションとして展開が開始され、8 月中旬までに広く利用可能になる予定です」ということで、Windows Insider のサイトを通じて一部ユーザーへの提供はスタートしているようですが、一般向けにはこれから。7月からスタートし、「8月中旬」がめどのようですが、実際の流れがどうなるのか?
- スタート>設定>更新とセキュリティ>Windows Update と移動します
- ESUに関する要件を満たしているPCには、登録するためのリンクが表示されます
- リンクをクリックして「今すぐ登録」とクリック
この3ステップで登録開始になります。
その他、FAQ などもこのサイトにはあるようなので、詳細はそちらをご参照ください。
【Microsoft Rewardsポイント】
さてここでちょっと注目したいのが、3つの選択肢のうちの一つ「Microsoft Rewardsポイント: 1000pt で支払うケース」。"Microsoft Rewards" って何?と言う方もいらっしゃるかもしれないので、このあたりからご紹介しましょう。
-- Microsoft Rewards とは?:
Microsoft Edge を使用して、Bing などで検索したり、Windows で検索したりすることで付与されるポイントのこと。ちゃんと Microsoft アカウントでサインインして使っていれば、知らないうちにポイントがざっくざっくとたまっていくわけです。もちろん、PCばかりではなく、スマホなどのモバイルデバイスでも、Microsoft アカウントにサインインして、Bing で検索したり、モバイル版の Microsoft Edge を使用して検索したりすることでも貯まっていきます。
またクイズなどに答えたりすることで貯まったりもします。
-- 使い道は?:
ポイントは、「ギフト カード、懸賞への応募、非営利団体への寄付などに引き換える」事も出来ます。Amazonギフト券、PayPayポイント、Xboxのゲームパスなど。「Microsoft Rewards引き換えカタログ」もご参照ください。
今回、ESUの支払いにこのポイントが使える訳で、それも「1000 pt」でいいというのは非常にお得なわけです。
実際のところ手元の環境ではまだこれが確認できないので、今後また確認出来た段階で改めてご紹介させていただきたいと思っています。
<参照>
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