ちょっとトラップに引っかかった案件なので備忘録として取り上げてみました。
Windows11 から導入されている印刷にかかわる新たな機能。「最新の印刷プラットフォーム」をご覧いただければ、どんな機能が提供されたのかはご覧いただけます。
さて今回は、Wi-Fi接続でも、またUSB接続でも、「プリンタードライバの設定がうまくいかない...」そんな事例のご紹介です。
【「保護された印刷モード」とは?】
Windows 11 Ver.24H2 にて導入された「最新の印刷プラットフォーム」の一つになります。
これは、この機能を使用することで Windows デバイスのセキュリティを強化し、ドライバの問題を排除。Mopria 認定プリンターでのみ動作するように設計された Windows モダンプリントスタックを使用することで、Windows デバイスのみを印刷できるようにし、印刷エクスペリエンスを簡素化しようというもの。
つまりこれが有効になると、通常のメーカーから導入されたドライバは削除され、「Mopria 認定製品」でのみしか印刷ができなくなります。
印刷だけではなく、複合機の場合には、Scanも同様です。
「モダン プリントは、Mopria 認定プリンターで動作するように設計されており、多くの既存のプリンターは既にモダン プリントと互換性があります」ともありますので、市販されているプリンターの多くは対応しているはずなので印刷する分には問題ないのかもしれません。
ご自身で使用されているプリンターが対応しているかどうかは「Mopria 認定製品」で確認も可能です。
ただし、メーカーが提供しているドライバとは異なるので、印刷はできたとしてもメーカーが提供しているドライバーに含まれている様々な機能(インク残量の表示など)は利用できなくなってしまいます。
【メーカーサイトからドライバをダウンロードしてインストールしようとすると...】
そんな保護された印刷の機能が有効になると....
1) これまで導入されていたメーカー独自のプリンタードライバは削除されます
2) メーカーのサイトからダウンロードされたプリンタードライバでは、利用できなくなります
という事態になるわけです。
※ プリンタードライバが削除されても、プリンタードライバの部分だけが削除されるだけで、プログラムとしてインストールされたものは残っているので、アプリの一覧にはプリンターのユーティリティなどが残っています。再度導入するには新たにプリンターメーカーのWebサイトなどからダウンロードしなおす必要があります。この機能をオフにしても設定は戻りません。
-- メーカーのプリンタードライバをインストールしようとした場合どうなるか?
一応今回確認した Canon の一般向けインクジェット複合機では、ドライバのインストールは可能でした。ただし、実際にその設定の段階になって、プリンターが検出されませんでした。
普通に、「プリンターの追加」ボタンを押せば、ネットワーク上などにプリンターが検出されるし、USBケーブルでつないだプリンターを設定する際も、プリンターが見つかって、インストールの段階までは進むものの、いざプリンタードライバの設定の段階に入っると、「プリンターが見つかりません」となって、結果的に、ドライバは設定できませんでした。
改めてこうした事象を踏まえて、「保護された印刷」の機能を調べて気が付いたわけですが、プリンターメーカーもいろいろ注意を促していたわけですね。
「Windowsの保護された印刷」の機能は、デフォルトではオフなので、何か操作を誤って有効にでもしない限りこうしたことになることはありませんが、プリンタードライバをインストールしていて、「Windowsの保護された印刷」に関する警告のメッセージが表示されるようであれば、この設定をオフにしないと導入できませんのでご注意ください。
【2025/06/03更新】
肝心の「Windows の保護された印刷」機能の、設定と解除についてご紹介するのを忘れてましたので追加させていただきます。
【「Windowsの保護された印刷」機能の設定と解除】
1) スタート>設定>Bluetoothとデバイス>プリンターとスキャナー と開きます
2) 「プリンターの環境設定」のところに該当項目があります
現在有効であれば、「オフにする」、現在未設定の場合には「設定」というボタンが表示されているはずです。
自分のところでは使用していないので、「設定」ボタンがありますが、設定しようとすると一応「互換性のないプリンター」は削除されるよ?ということも表示されています。
「オフにする」と出ている場合には、クリックすると同様に確認の画面が表示されます。
<参照>