Windows 10 にしても、Windows 11 にしても、Windows には標準でウィルス対策機能が搭載されています。それが「Windows セキュリティ」と言うソフトです。以前は「Windows Defender」とも呼ばれていました。
一方で、Microsoft 365 Personal などの一般向けのサブスクリプションをご契約いただいていると、これに加えて「Microsoft Defender」と言うセキュリティ機能が利用できるようになります。
以下の画像にもあるように、タスクバーの隠れているインジケーターの部分をクリックすると似たようなアイコンが2つ表示されている方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、この2つのセキュリティ機能の違いについてご紹介いたします。
【似て非なる2つのアプリ】
当然ならが、「Windows セキュリティ」と「Microsoft Defender」という2つのアプリ。ちょっと前だと同じ「Defender」シリーズだったので混乱しそうですが、現在は名称も違うので、迷うことはなさそうですが。もちろんこれらのアプリ、セキュリティで守っている部分も違っていたりします。
1) Windows セキュリティ:
もともとは、Windows XPの時にウィルス対策ソフトとして提供されていたものですが、現在はOS標準搭載のウィルス対策機能として使用されています。当初は、「Windows Defender Security Center」とも呼ばれ、「Microsoft Defender の使用を開始する」にもありますが、「ウイルス対策Microsoft Defender、ウイルス、ランサムウェア、その他のマルウェアから保護するのに役立つウイルス対策ツール」が含まれています。現在は「Windowsセキュリティ」と呼ばれています。
2) Microsoft Defender:
「Microsoft Defender の使用を開始する」にもありますが、「マルウェアの保護、Web 保護、リアルタイムのセキュリティ通知、セキュリティに関するヒントを使用して、人々や家族がより安全なオンラインを維持するのに役立つセキュリティ アプリ」です。Microsoft 365 Personal や Family と言ったサブスクリプションの契約のある方が利用できる機能になります。
他にも、法人向けに提供されている「Microsoft Defender for Endpoint」と言うアプリもあり、こちらは、Microsoft 365 E3 や E5 と言った法人向けパッケージに含まれています。
【Microsoft Defender の様々な機能】
Windows セキュリティWindows Defender は、端的に言えば、ウィルス対策ソフトになりますが、Microsoft Defender はそれを補完するソフトになりますので、Windows Defender ではカバーされていない機能などもあったりします。
その一つが、「VPN」。フリーのWi-Fi などを使用する際に、その信号のやり取りを暗号化するための機能です。Microsoft Defender にはそんな機能もついていたりするんですね。
- 自分の位置情報
- 残りデータ量
- リセットまでの日数
と言った項目が表示されます。「自分の位置情報」のところの、"!" の部分をクリックすると「VANがオンの場合、デバイスの場所とIPアドレスは非表示になります。これにより、広告主、ハッカー、その他の第三者が個人情報や閲覧習慣を収集するのを防ぐことができます。」とあります。
50G/月の通信量を保護してくれるわけですが、注意したいのは、同じアカウントでサインインしているデバイスの合計の通信量になるので、複数のデバイスをご利用の場合には注意が必要です。
【保護対象はWindowsだけじゃない!】
さて上記で触れた「Microsoft Defender」ですが、ウィルス対策以外の機能が中心ですが、これはあくまでも Windows 向けのもの。Windows には少なくとも、「Windowsセキュリティ」が入っているので、仮にサードパーティ製のセキュリティソフトが入っていなくても、「Microsoft Defender」は、ウィルス対策までする必要がないからです。
「Microsoft Defender の使用を開始する」をご覧いただければおわかりいただけると思いますが、
- マルウェア対策
- Web 保護
- ID の盗難の監視
と言ったところがその柱になります。
さらに Microsoft Defender は、何も Windows だけではなく、Mac、iOS、Android も保護対象として導入が可能です。
セキュリティソフトとして、Norton、ウイルスバスター、McAfee、Kaspersky、ESET などと言ったセキュリティベンダーの提供するアプリを導入されている方もいらっしゃるかもしれませんが、こうしたアプリを導入した場合、「Windows セキュリティ」は自動的に無効になります。また「Microsoft Defender」は、こうしたアプリと共存して動作するようになります。ということで基本的には、こうしたものが他社ベンダーのアプリとバッティングして、何かトラブルになるということは少ないものを思われます。ただし、セキュリティベンダーの提供されるアプリを導入しても「Windows セキュリティ」は削除されるわけでもなく、また厳密には完全に「Windowsセキュリティ」が無効化されるわけでもないようなので、ポリシーなどを利用して無効化する必要も出てくるかもしれません。
Microsoft 365 Personal などのサブスクリプションをご利用の方は、Microsoft Defender について一度すでに導入済みかどうか確認してみてはいかがでしょうか?
<参照>
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