US時間5月17日に公開された「Create accessible PDFs with Microsoft 365 apps」によると、毎年5月の第三木曜日に開催されている Global Accessibility Awareness Day にも合わせ、Microsoft のみならず、Apple など各社情報やサービスへのアクセシビリティ向上への取り組みを発表しております。
この度、Microsoft 365 Apps での、PDFファイルにおけるアクセシビリティ改善についての取り組みが Office Insider Blog にて紹介されました。
【アクセシビリティとは?】
障碍のある方はもとより、高齢の方などすべての方がコンピューターを快適に、便利に活用し、それぞれの方が持つ可能性を最大限に引き出せることを支援するための支援機能ということになります。
Word などの Microsoft Office 製品を利用していると、画面下部のステータスバーに、「アクセシビリティ:検討が必要です」なんて表示されていることにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんね。
例えば上記のサンプルデータでいうと、文書内に画像が挿入されています。
画面右側に "アクセシビリティ" という作業ウィンドウが表示されています。上記のサンプルだと、この挿入された画像に対して "文字折り返し"(「四角」)が設定されています。視覚に障碍を抱えている人の場合、多くのケースでこうした文書は、専用の "読み上げソフト" を利用して音声にて聞くことになりますが、"行内" として配置しておけば、多くの読み上げソフトは画像については、画像が配置されている段落に来れば画像に設定されている代替えテキストの情報を読み上げてくれるので問題ないものの、"四角" などを選択して文字列の回り込みが設定されていたりすると、画像が読み上げられなくなってしまい、そこに画像が入っていることがわからないため、こうした注意が表示されるわけです。もちろん「行内」に設定しても、読み上げソフトなどでちゃんと読み上げてくれるように、"代替テキスト" の設定も必要になってきます。
自分しか使用しないデータや資料であれば、そこまで気にすることではないものの、
- 他の人と共有する資料
- 外部に公開する資料
- 公的な場面で使用される資料 など
であったりする場合には、こうしたアクセシビリティへの配慮が必要になってくるわけです。
こうした Microsoft 365 のアクセシビリティに関連した機能については、「Microsoft 365 のアクセシビリティ機能 」などのサイトを参考にしてみてください。
【今回のターゲットはPDFファイル】
Word や、Excel、PowerPoint などで作成されたデータを、そのまま配布して誰でもアクセスできるのであれば、各アプリでデータを作成する際に、校閲タブ > アクセシビリティ と開いて、アクセシビリティをチェックしつつデータを作成していけばいいわけですが、多くのケースでこうした Microsoft Office をお持ちでないケースも想定して、PDFファイルが利用されているケースがあります。
すでにご存じのように、WordやExcel などの Microsoft 365 App では、PDFへの書き出しにも対応しているわけですが、PDFに書き出された場合にも、きちんとそのアクセシビリティの機能を引き継げるようになっていることが望ましいわけです。
PDFに書き出されたものを読み上げソフトなどで再生したら情報が抜けてた...とならないように、その改善に取り組んでいるわけですね。
-- PDFアクセシビリティの最近の改善点:
1) iOS や macOS 向けの Excel、Word、PowerPoint において、"Best for electronic distribution and accessibility" (「電子配布とアクセシビリティ向上に最適」)という がオプションにて利用できるようになっています(Office Insider版 が対象)
2) PowerPoint のセクションとスライドのブックマーク、Word の見出しまたはブックマークを使用し、ユーザーが PDF コンテンツを簡単に移動できるようにします
3) PDF/UAタグに100以上の改善が加えられています。つまりスクリーンリーダーに依存している人々がこうしたPDFのコンテンツにアクセスした場合でも、不可欠な情報を漏らさずに提供できるように改善しています
もちろんこうした機能はまだまだ完全なものではありませんので、今後も引き続き改善が加えられていくことでしょう。
<参照>
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