Excel で Python が利用できるようになること、そして、すでに Office Insider Beta Channel 向けには提供がスタートしていることはこれまでにもご紹介いたしました。
さてその後、Beta Channel をご利用の一部ユーザーでしか利用できなかった Python も、その後、上記のブログの中でも9月の更新情報として、すべての Windows 版 Beta Channel を利用しているすべてのエンタープライズ、ビジネス、教育、ファミリーおよびパーソナルユーザーが利用できるようにその範囲も広がりました。
そんな Excel での Python の利用についてですが、その後さらに以下のような情報が公開されました。
- Announcing Python in Excel: Combining the power of Python and the flexibility of Excel
- Introducing Copilot support for Python in Excel: Advanced Data Analysis Using Natural Language
その概要についてご紹介いたします。
【Python Editor の提供】
「Announcing Python in Excel: Combining the power of Python and the flexibility of Excel」では、Excel のアドオンとして、"Python Editor" が Excel Labs より提供されるようになったことが紹介されております。
専用のコードエディタを使ってExcel上でPythonの数式を書いたり編集したりすることができるようになります。
- コード実行の流れを結果とともに表示することができます
- 長いコードセクションに対応しています
- Visual Studio Code の標準機能をサポートしています
- 断続的なコーディングワークフローのための柔軟性を持ち合わせています
といった特徴があるようです。詳細は、「Announcing Python in Excel: Combining the power of Python and the flexibility of Excel」にてご確認ください。
【Copilot がお手伝い!】
さてそして次に公開された情報が、「Introducing Copilot support for Python in Excel: Advanced Data Analysis Using Natural Language」。US時間9月21日付で公開された情報です。
Excel の Copilot が Python もサポートするようになります。
つまり、Excel の Copilot では、数式の作成、データの書式設定、データ分析の支援などの基本的な Excel の機能のサポートに加え、Pythonコードの記述という新しい方法でデータを分析・探索するところまでサポートしてくれるようになるようです。
日常的な言語を使用し、現在のデータで何をしたいかを記述するだけで、Copilot が Excel グリッドにPythonコードを生成して挿入してくれるようになる。熱いですね...
ブログの中では、ExcelでCopilotとPythonを使用するメリットとして、
- データ分析に自然言語を使用:
一例として「今後4四半期の売上を予測する」と入力すると、Copilotがコードと予測を含むPythonセルを生成してくれるようになるようです。 - 人気のライブラリやビジュアライゼーションにアクセス:
Copilotを使用して、予測、クラスタリング、最適化、因果モデル、統計検定、分類、サンプリングなどの高度な分析を実行できます。さらにExcelだけでは利用できないさまざまなグラフも作成可能になります。 - 複雑な問題を反復的に分析:
Copilot では、以前のクエリや結果のコンテキストを記憶しているので、追加の分析、フォローアップの質問、アイデアを使用して会話を続け、反復的にデータ分析を実行することができます
といったことを紹介しております。
Python in Excel が利用できるようになること、さらに Microsoft 365 Copilot が利用できるようになることなど、まだすぐにはこうしたことが現実のものになるわけではありませんが、Excel チームから発信されているこうした情報に今後もワクワクしながら期待したいところです。
【Microsoft 365 Copilotについて】
さて最後にもう一つだけ、"Microsoft 365 Copilot" についても触れておきましょう。
Excel では、Python のコードまで作成のお手伝いをしてくれるそんな Copilot ですが、ちょっと前になりますが、正式な提供開始日と、その料金体系の発表がありました。
- 提供開始:2023年11月1日
- 対象ユーザー: Microsoft 365 E3/E5, Business Standard, Business Premium
- 料金(一人当たりの月額):$30(30ドル)
11月1日から法人ユーザー向けに提供されることになりましたが、利用にあたっては、一人につき30ドル/月が別途必要になることが発表されました。一般ユーザーは、当面対象外となっています。
詳細はまた別途取り上げてみたいと思っています。
<参照>
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