TechCommunity Blog に投稿された Excel チームのブログによると、Excel の数式バーで使用されるフォントが、今後、"等幅フォント" に変更されるようです。
「What's new in the formula bar?」("数式バーの新機能?" )と題されたブログによると、Excel を頻繁に利用する人にとって、数式は、あらゆるスプレッドシートのバックボーンでもあり、計算の実行、データの分析、ダイナミックなレポートの作成を可能にしてくれる大切なツールです。だからこそ、数式の作成と編集は、特に複雑な式やネストされた式を使用する場合には、その作業を行う上で、時に困難な場合があります。これまでと異なり、ここに "等幅フォント” を利用することで、数式が等間隔に配置され、読みやすく、デバッグしやすくなります。つまりは作業効率が上がるということになります。
** 等幅フォントとは、形状やスタイルに関係なく、各文字の幅が同じであるフォントの一種です。
-- 等幅フォントの利用によるメリット:
"Why monospaced font?" のところでは、そのメリットについて以下のポイントを紹介しています。
1) その配置と読みやすさ:
等幅フォントは、固定幅フォントやタイプライターフォントとしても知られたもの。コードの可読性を大幅に向上させてくれるとあります。各文字が水平方向に同じスペースを占めるので、インデントやきれいな構造の提示により、整理されたレイアウトを維持しやすくなります。
2) エラーの検出とビジュアルな解析:
等幅フォントは一貫した配置を提供するため、エラーやタイプミス、コードの不一致を素早く発見しやすくなります。この均一な間隔により、複雑な構造においても、視覚的な解析が強化され、ロジック内のパターン、ネストされたレベル、および関係の識別に役立とのことです。またこれは、複雑なネストされたステートメントや条件付きステートメントを理解し、作成プロセスの早い段階で間違いを見つける場合にも役立つと紹介されています。
3) クロスプラットフォームの一貫性:
フォーマットを維持し、さまざまなソースからのコードのコピーと貼り付けを合理化。また、さまざまなプラットフォームやエディターで均一な外観を保証し、一貫した読みやすさと構造を保証してくれるようになります。
実際にその一例がこのブログの中で紹介されていた Before & After が以下のような感じです。
【利用可能な製品】
さてこの新たな等幅フォントが利用できる製品は以下の通りです。
・Windows 版 Office Insider Beta Channel
現在、Office Insider Beta Channel については、8/15付でリリースされている Ver.2309(ビルド 16811.20004) が最新版です。一応最新バージョンではありますが、現時点ではうちの環境ではこの変更がまだ確認できませんでした。
今後、Windows向けの 通常版 Excel に展開されて、順次そのほかのプラットフォーム向けにもリリースされる予定のようです。
なお、Beta Channel でも一度にすべてのユーザーに展開されるものでもないので、うちのようにまだ自分の製品では未対応だよ?という場合には、展開されるまで今しばらくお待ちください。
<参照>
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