一般に IME(Input Method Editor) といった場合、いわゆる "日本語入力支援ソフトウェア" のことを意味します。
Windows をご利用であれば、Windows についてくる MS-IME をご利用の方が多いかと思いますが、Google IME(Google) や、日本語入力に強みを発揮する ATOK(ジャストシステム) といったものから、フリーで配布されているものを探せば、結構いろいろあったりします。
さてそんな "日本語入力支援ソフト" も、一つのソフトなわけですから、サポート期限があったりします。サポート期限が過ぎたアプリはやはり引き続き使用していると様々なトラブルを引き起こす要因ともなりえます。
今回はそんな一つの例として、サポート期限切れとなった "ATOK" について取り上げてみました。
【富士通のPCについている "ATOK"】
現在の "ATOK" は、"ATOK Passport" というサブスクリプション方式での提供のみとなっていますので、以前のように、一太郎を購入したときに一緒についてくる ATOK であっても、"ATOK Passportプレミアム" のサブスクリプション版が付いてくるので、購入するとこのプランが利用できるようになります。
当然ながらサブスクリプションなので、期限が切れれば利用できなくなってしまいます。継続して利用するには、契約を継続する必要があります。
しかし以前は、ATOK2015 とか、ATOK2017 などのように単体製品としても販売されていました。ジャストシステムの一太郎などの製品をご利用だったりする場合には、こうしたATOKを日本語入力支援ソフトとしてご利用の方も多いのではないかと思います。ただしこうした単体製品の ATOK も、「ATOK 「買い切り版」について」にもありますが、すでに販売は終了し現在のサブスクリプション版に変わっています。
ただしすべてのPCというわけではありませんが、「ATOK について教えてください」でも紹介されているようにコンシューマー向けの富士通のPCには、こうした ATOK が日本語入力支援ソフトとしてプレインストールされていたりしているものもあったりします。 "ATOK for Windows" として現在も一部の機種でプレインストールされていますので、そういうことからあまり意識していなくても普段は ATOK を使っている... という方も多いかもしれません。
こうしたプレインストールで利用されている ATOK の単体製品ですが、当然ながらサブスクリプション版と違って自動的に更新されるものではないので、サポート期限があります。もちろん、サブスクリプション版の以前の単体製品や一太郎についていた単体製品でも同様です。
こうしたサポート期限が切れた IME が思わぬところでトラブルを引き起こす例もあります。その一例が以前にも取り上げた Epson Scan というアプリへの影響。
・更新プログラムのインストール後、ATOKが要因で、EpsonScan2 が起動できない (2022年03月31日)
・Epson Scan を起動しても、Scanボタンがない (2022年08月05日)
・Epson Scan2 が起動できない (2022年08月06日)
・Epson Scan2 が起動できない (続編) (2022年09月05日)
上記で取り上げたトラブルは、ATOK2019 までのようなサポート期限切れのATOKを利用しているために発生するトラブルで、当然ながらサポートが終了しているので修正されません。
こうしたATOKに起因するトラブルの修正プログラムは、「一太郎2020〜2021に搭載のATOKをご利用の場合」にあるように、引き続きサポートが続いているバージョンに向けては、修正プログラムも提供されています。
これ以外にも、「各WindowsでATOKを使用する場合の制限」「各WindowsでATOKを使用する場合の制限」にもあるような、さまざまな制限もあったりします。
Windows 7 や、Windows 8.1 の PC から Windows 10 にアップグレードされて利用している人をみると、まだまだ ATOK 2017 など古いサポート期限切れの ATOK を利用しているケースをちょくちょく拝見しますので、注意が必要です。
【"サポート終了した製品は使わない" が基本】
当然ながら日本語入力支援ソフトも、ソフト。サブスクリプション版の様に契約している期間は常に最新の状態を維持してくれるものと異なって単体製品の場合にはサポート期限が設けられています。そして当然ながらサポートが終了すれば、仮に不具合が見つかっても修正されることはありません。
そうした不具合を感じながらイライラして利用するよりは、やはりすっきり利用できる方がいいですよね?
Windows に付随してくる MS IME であれば、Windows Update などを通じて、Windows が正常に更新されていれば常に最新の状態でご利用いただけるわけですし、Google IME のようなフリーで利用できるものでも、きちんと更新されていくものもある。
たかが "文字入力ソフト"と侮るなかれ。
PCを活用する上では身近過ぎて気が付きずらいかもしれませんが「日本語入力支援ソフト」も、PCを利用する上では大切な機能の一つです。いや、これがないと何もできません。常に最新の状態で、利用していきたいものですね。
<参照>
・各WindowsでATOKを使用する場合の制限(情報番号:058746)
・各WindowsでATOKを使用する場合の制限(情報番号:057921)