ここ最近、Gmail 関連のメールの送受信に関する相談が増えています。
- Gmail 宛に届くはずのメールが届かない
- Gmail 宛にメールが送れない
最近 こんなご経験をされている方はいらっしゃいませんか?
これって、Gmail 側のセキュリティ強化による影響のケースが多々ありそうです。
【SPF または DKIM の設定が必要】
「Gmail ユーザーへのメールがブロックされたり迷惑メール扱いされたりしないようにする」の中でも触れられていますが、
Gmail アカウント宛てに送信されるメールの認証要件2022 年 11 月以降、個人用 Gmail アカウントにメールを送信する新規の送信者は、SPF または DKIM を設定する必要があります。Google では、新規の送信者から個人用 Gmail アカウント宛てのメールをランダムにチェックして、認証されたメールであることを確認します。認証方法が一つも設定されていないメールは、5.7.26 エラーで拒否されるか、迷惑メールに分類されます。この要件は、既存の送信者に対しては適用されません。ただし、組織のメールを保護し、今後の認証要件をサポートするために、必ず SPF と DKIM を設定することをおすすめします。組織でのメール認証の設定についてサポートが必要な場合は、メール サービス プロバイダにお問い合わせください。(Google Workspace 管理者ヘルプより)
とあるように、2022年11月以降「SPF または DKIM を設定する」ことが必須になりました。したがって、この設定をされていないサーバーからのメールは、迷惑メールとして処理されたり、メッセージ自体が届かないといったトラブルに巻き込まれることになります。
どうもこの影響が、ちらほら広がりつつあるようです。
では具体的に送る側にどんなエラーメールが戻ってくるのか?
今回の件を受けて確認したら、自分が契約しているレンタルサーバーも同様でした。自分のGmail宛にTESTメールを送ってみると上記のようなエラーメールが戻ってきました。そして、それも自動的に Thunderbird さんが迷惑メールとして判定して迷惑メールフォルダへ... メール内のリンクをたどると「Gmail ユーザーへのメールがブロックされたり迷惑メール扱いされたりしないようにする」という Gmail ヘルプの画面に誘導されます。
実のところ普段はあまり Gmail 宛てに送ることってなかったので、今回の件は全然気が付きませんでした。
【"SPF" や "DKIM" って何?】
ところで、今回問題になっている "SPF" や "DKIM" って何なんでしょう? 細かいことはともかくとして、とりあえずサクッと説明いたします。Google Workspace 管理者ヘルプにも「SPF を使用してなりすましと迷惑メールを防止する」のところで説明されています。
SPFとは、著名な会社のメールアドレスを偽装した "なりすましメール" など偽装されたものを迷惑メールとして処理する古くからある仕組みの一つです。
- SPF (Sender Policy Framework)
- DKIM (DomainKeys Identified Mail)
- DMARC (Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)
SPF の外にも、DKIM、DMARC といったものもあります。
こういう分野であれば、おそらくそれらしい回答も得られそうなので、試しに Bing AI に聞いてみました。
-- 以下、Bing AI より引用:
SPF、DKIM、DMARCの設定方法については、以下のような手順があります。
- SPF(Sender Policy Framework):DNSにSPFレコードを追加することで設定します。SPFレコードには、送信元ドメインのIPアドレスを指定します。
- DKIM(DomainKeys Identified Mail):DNSにDKIMレコードを追加することで設定します。DKIMレコードには、メールの署名に使用する秘密鍵の情報を指定します。
- DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance):DNSにDMARCレコードを追加することで設定します。DMARCレコードには、SPFやDKIMの認証結果を元に、メールをどう処理するかを指定します。
今回の、"SPF" についてさらに突っ込んで質問してみました。
図解で説明してくださいとすれば、画像も検索してくれますね。画像だとその仕組みもより理解しやすいかもしれませんね。
さてそんな、SPF や DKIM ですが、これ自体が Google で利用されていたのは以前から。しかしこれが、"個人用 Gmail アカウント" 宛てにメールを送信する新規の送信者側で、その設定が "必須" になったのが 2022年11月 からというわけです。
【送信する側の問題】
今回の Gmail の件は、もちろん Gmail 側のセキュリティ強化によるものではありますが、対策は、メッセージを送信する側が SPF または DKIM の設定をするという個別に対応する必要があります。
各サーバーの設定方法は、ご契約先によって異なるのでこちらでは触れませんが、もし 「あなたの Gmail 宛にメールが送れない....」なんて話があって、今回ご紹介しているようなエラーが送信者側に戻っているような場合には、送信者の人に設定変更を促す必要があります。
--どうしてもすぐに受け取りたい場合:
とにかく急いでメールを受信できるようにしたい....
今回のケースは、Gmail を利用していると避けようがないので、仮に、別途メールアドレスをお持ちであれば、Gmail 以外の別のメールアドレスに送ってもらうのも一つの方法です。
"〜@outlook.jp" などの Microsoft アカウントをお持ちであれば、それをご利用になるもの一案です。もちろんそれ以外のメールアドレスでもOKです。
迷惑メール対策は、発信する側、受信する側、サービスを提供する側、そしてサービスを利用する側でも必須な対策になります。なので、避けて通るわけにもいかないわけで、サービスを提供する側が、セキュリティ対策の強化を謳って、その設定が厳しくなれば、それに応じた対応が求められることは、いたしかたないことなんでしょうね。
<参照>
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