先日ご紹介した Windows 10 Ver.22H2 の更新ですが、通常の更新に比較してもほとんど時間もかからずにものの数分で完了してました。月例の更新は、そこそこ時間もかかるし、大型のアップデートということなので、再起動にも時間がかかると覚悟してました。
なのに.... "なぜ ?"
実はそこに関係してくるのが、"イネーブルメント パッケージ" というキーワード。
【"イネーブルメント パッケージ"とは?】
英語では、"enablement package" というもので、古くは、Windows 10 Ver.1909 の時に機能更新プログラムとして Ver.1903 の PC 向けに提供された更新方法になります。(「Windows 10 バージョン 1909 イネーブルメント パッケージを介した機能更新プログラム」)
「通常の機能更新プログラムとイネーブルメント パッケージ、どちらを展開するべき?」(Japan Microsoft Endpoint Manager Support Blog)にもありますが、Ver.2004 以降は、Ver.21H2 までは共通のコア オペレーティング システムを使用しているため、Ver.21H2 の更新にも使用されていました。
そして今回の、Ver.22H2 について....
「KB5015684: 有効化パッケージを使用したWindows 10バージョン 22H2 の注目の更新プログラム」のところで、紹介されておりました。
-- 以下引用 --
Windows 10、バージョン 2004、20H2、21H1、21H2、および 22H2 は、同じシステム ファイルのセットで共通のコア オペレーティング システムを共有します。 したがって、Windows 10 バージョン 22H2 の新機能は、Windows 10、バージョン 2004、20H2、21H1、21H2 の最新の月次品質更新プログラムに含まれていますが、非アクティブで休止状態です。 これらの新機能は、Windows 10バージョン 22H2 の機能をアクティブ化する小規模でクイックインストールの "マスター スイッチ" である "有効化パッケージ" を通じて有効になるまで、休止状態のままになります。有効化パッケージは、バージョン 2004、20H2、21H1、または 21H2 からバージョン 22H2 への更新を 1 回の再起動で可能にするため、Windows 10バージョン 22H2 などのスコープ機能更新プログラムをインストールするための優れたオプションであり、更新のダウンタイムを短縮します。 これにより、デバイスは今すぐ新機能を利用できるようになります。 Windows Updateから直接更新プログラムを受け取るバージョン 2004、20H2、21H1、および 21H2 デバイスの場合、デバイスは機能更新プログラムを Windows 10 バージョン 22H2 にインストールすることで、有効化パッケージを自動的に取得します。
まさにサクッと更新が完了したのはこういうことだったんですね。
【きちんと更新ができているPCは、更新も早い】
"イネーブルメント パッケージ" が適用されるには、Windows 10 Ver.2004 以降できちんとその後の更新が適用されていることが前提で、仮に Ver.21H2 まですべてきちんと更新ができていれば、Ver.22H2 の更新はあっという間に終了してしまいます。
「KB5015684: 有効化パッケージを使用したWindows 10バージョン 22H2 の注目の更新プログラム」のところでもありますが、上記のような適用に当たっての前提条件があるわけです。
それまでに提供された月例の更新プログラムの中に、今回から提供される機能が少しずつ展開されていて、無効にされてたものが、Ver.22H2 の適用で有効に切り替えるだけですむので、更新という手続きにかかる時間も、大幅な時間短縮になるわけです。
簡単に言ってしまえば、これまでのすべての更新プログラムがインストール済みなら、"イネーブルメントパッケージ" が使用されることで、最小限のダウンロードと短時間のインストールと再起動で、Windows 10 Ver.22H2 にアップデートできてしまうというわけです。
ともあれ利用者にとっては非常にありがたい機能なわけですね。
Ver.2004 から更新しないとか、Ver.21H1でとまっているなどの場合にも、Ver.21H2 適用済みの人に比べると追加される機能があるので、それなりに時間もかかります。それがさらに Ver.1909 ともなれば、"イネーブルメントパッケージ" は適用されないので、更新にはかなりの時間を要することになります。
【更新】
同様に、Windows 11 についても、以下のサイトにあるような試みがなされています。
アップデートをより小さく、より速く、そしてより邪魔にならないものにして、効率よく展開するための試みは、引き続き今後も模索されていくのでしょうね。
<参照>
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