Microsoft Outlook for Mac に、送信ボタンをうっかり押してしまっても、送信を取り消せる機能が搭載されることになりました。
この機能、ユーザーからもリクエストの多かった機能のようです。
メッセージを作成して、思わず Returnキー を押して...
"あれ? 送信してしまった〜"
なんて経験ある方もいらっしゃるかもしれませんね。
そうしたケースに限らずメッセージを作成して、よくよく見なおさずに送信。
その後、自分の送信したメールを確認してみると、誤字(誤変換)や脱字などに気が付いて "あちゃぁ〜" となるケースもあるかもしれません。
これまでの Outlook for Mac の場合には、送ってしまったものは送信の取り消しなどもできないため、送ってしまったものは取り返しがつきませんでした。
そんな場合、トラブルを防ぐために例えば
- 即時送信せずにいったん下書きなどの保存しておいて、内容を再確認してから送る
- メッセージ作成後、他の人に目を通してもらってからメールを送信する
そんな形で対応していた方も多いかと思います。
当然ながらビジネスでのやり取りになった場合には、こうした慎重な対応も必要です。ただし一方では即返事を送らないといけないといったような、速やかな対応を要求されることも多々あり、どうするのが一番いいのか?難しところです。しかし面倒でも慎重にならざるを得ません。
一方、プライベートなメッセージのやり取りであったりすると、そこまでするのもどうか....とあまり気にせずにそのままの状態でご利用の方も多いかもしれませんね。。
【メッセージの送信を中止する機能】
今回搭載されるメッセージの送信に停止をかける機能は、実際には例えば Gmail や Web 版 Outlook では、すでに搭載済みですので、そちらではおなじみの機能になります。
- Outlook for the web:5秒、10秒からの選択
- Gmail(Web版):5秒、10秒、20秒、30秒からの選択
となっています。
-- Outlook for the web の場合:
設定 > Outlookのすべての設定を表示 と開きます。
メール > 作成と返信 とクリックすると、「送信の取り消し」という項目があります。
デフォルトでは "0" 秒。つまり未設定になっていますが、設定を変更することで、5秒、10秒と選択できるようになっています。ただし、秒単位ではないようです。
メッセージを送信すると画面左下に「送信しています」と表示され、そこに「元に戻す」と表示されていますので、そちらをクリックすると送信がキャンセルされます。
-- Gmail の場合:
設定 > すべての設定を表示 > 全般 と開くと、「送信取り消し」という項目があります。
デフォルトでは有効になっていて、5秒に設定されています。
なので、Gmail(Web版)で送信した際に、一瞬画面の下に「送信しています」という表示されて「キャンセル」もクリックできるようになっています。
【Microsoft Outlook の場合】
さてこうした機能が Microsoft Outlook ではどうか?というと、当然ながら Outlook for Mac の機能としてはなかったわけですし、Windows版の Microsoft Outlook であっても、設定されているアカウントによっても異なっていました。
「送信したメッセージを取り消す、または置き換える」にもあるように、Windows 版 Outlook であったとしても outlook.com などのような Microsoft 365 または Microsoft Exchange メール アカウントを利用しているケースでは取り消しも可能でした。それ以外のアカウントでは取り消しはできませんでした。
今回 Outlook for Mac に搭載されるようになった機能の概要は以下の通りです。
- 取り消し可能(送信待機になる時間)は、5秒、10秒、15秒、20秒からの選択になる
- Office Insider Beta Channel Ver.16.62(Build 22050200) 以降が対象
- Microsoft 365 や Outlook.com のアカウントでのみ利用が可能
つまりは、やっと Windows 版と同じように Mac 版 Outlook でもこの機能が利用できるようになるということになります。
-- こうした "送信取り消し" ができない場合:
今回ご紹介したような送信の取り消しができないアカウントだったりする場合にはどういった対処法があるのか? 冒頭に、いったん下書きに保存して後で送信するなんて言う方法もご紹介しましたが、それ以外にも Microsoft Outlook の機能を利用して以下のような方法もあります。
- 仕訳ルールを利用して送信を制御する
- 送信日時を指定して送信する
1) 仕訳ルールを利用して送信を制御する
Microsoft Outlookには、受信したメッセージをルールに基づいて仕訳する機能(仕訳ルール)を設定できるようになっています。Windows 版の Outlook の場合には、仕訳ルールの作成の際に、「送信メッセージにルールを適用する」と設定することで、ルールに基づいて配信時間を何分後にするか指定が可能です。
ただしこの機能は、Outlook for Mac では受信したメールを仕分けするルールは作成できても、送信メールに対する仕訳はできないようなので、Mac 版では残念ながら利用できません。今後に期待しましょう。
2) 送信日時を指定して送信する
唯一、Windows 版、Mac 版 のどちらでも利用できるのがこの方法になります。
-- Mac 版 Microsoft Outlook の場合:
新規メッセージを作成したのち、"送信" ボタンの脇の "V" をクリック、"後で送信" をクリックすると、送信日時を指定するカレンダーが表示されますので、そちらから設定を行います。
-- Windows 版 Microsoft Outlook の場合:
新規メッセージを作成し、オプション > その他のコマンド > 配信のタイミング とクリック。
"配信オプション" のところから、日時を指定します。
今回、Outlook for Mac に追加されたこの機能。現時点ではまだうちの Microsoft Outlook for Mac でも利用できないので、Outlook の環境設定を開いて「作成」を開いてもまだ以前と変わらないままです。この機能に限らずこうした新しい機能は順次展開されていくようなので、現時点でまだ展開されていない場合には、今しばらくお待ちください。
もちろんこうした機能も、送信して一定の時間を経過してしまうと、送信されてしまうわけなので、あくまでも「ヒヤリハット」を防ぐための一つの方法にすぎません。
こうならないためには、送信する前に確認する癖はつけた方がいいのかもしれませんね。
<参照>