通常、これまでであれば例えば Microsoft Edge を開いて Office.com などに Microsoft アカウントでサインインしているとき、職場のアカウントでサインインしないといけないくなったような場合、別のタブを開いても、新たなアカウントでサインインしてしまうと、最初にサインインしていた Microsoft アカウントの方は、サインアウトされてしまいます。
なので、そんな時には私もよく、新たに 「Inprivate ウィンドウ」 を開いてもう一つの Microsoft アカウントでサインインして使用しています。もちろん別のブラウザを開いてサインインしても同様です。
さてそれまでのそうした状況が今後改善されることになりました。
つまり一つのブラウザで複数の アカウント にサインインしてタブを切り替えて利用できるようになります。上記の画像は、Microsoft 365ロードマップにて、2022年4月から展開されているということを示すものです。
【4月から6月にかけて展開されます】
実は今回のこの新しい機能は、4月28日付の Microsoft 365 ブログの中、新しい機能として動画でも紹介されています。
また US時間 4月26日付の TechCommunity の Microsoft 365 Blog に詳細が紹介されておりました。
Today, we have some exciting news to share! Soon, Microsoft 365 web users will no longer need workarounds to use multiple work (Azure Active Directory) and personal (Microsoft Account) accounts while using any of the Microsoft 365 web apps. Users will now be able to sign into multiple accounts in the same browser, and seamlessly switch between the accounts without needing to sign out and sign back in.
とそのブログの中で紹介されていますが、つまりは 同じブラウザで複数のアカウントにサインインし、サインアウトと再サインインの必要もなく、シームレスにアカウントを切り替えることができるようになるとのことです。
そしてこの機能は、4月から6月にかけて、Office.com、Word、Excel、PowerPoint for the web、Outlook on the web、OneDrive for the web、SharePoint、Microsoft 365 admin centerのWorldwide環境において展開される予定のようです。
TechCommunity Blog の中では、2つのシナリオとして例が紹介されています。
シナリオ1:Karaさん
Karaさんは、Contoso というコンサルティング会社に勤めており、その仕事の関係上、Fabrikam という会社にもサポートを提供していることもあって、2つの組織にまたがって作業やコラボレーションを行うために複数の組織アカウントを所有しているという例。
シナリオ2:Marcusさん
Marcusさんは、個人アカウントを使って家族旅行を計画していますが、仕事用のアカウントからメールを送信する必要もあり、個人用・仕事用のアカウントをシームレスに切り替えて利用できるようにする必要性に迫られているという例。
【検証】
ということで、実際に試しにMicrosoft Edge にて職場のアカウントとMSアカウントにてサインインしてみましょう。
まずは、個人用のマイクロソフトアカウントでサインインして、Outlook.com を開いてみます。
続いてブログにもありますが、右上隅のアカウントマネージャーを開いて、"別のアカウントでサインインする" をクリックし、職場のアカウントでサインインします。
職場のアカウントでサインインされていますが、最初に開いた Outlook.com のタブはそのままで問題なくメールの送受信ができます。タブの更新をかけても問題ありません。また同様に職場のアカウントで開いた方の Outlook をクリックすると、別のタブに Outlook.com が表示されます。
試しに、別の個人用 Microsoft アカウント も追加してみました。右上隅のアカウントマネージャーからアカウントの追加をクリックするとアカウントの追加画面になりますので、追加すると、追加したアカウントでサインインされます。
Office.com は、新たにサインインしたアカウントの画面になり、アカウントマネージャーを開くと、先ほど最初にサインインした2つの別のアカウントが選択できるようになっています。
またここで、さらに今回サインインしたアカウントで、Outlook.com にアクセスすると、別のタブで新たに Outlook.com が開いて、画像にもあるように、職場のアカウント、Microsoftアカウントx2の、Outlook.com が表示されるようになりました。
今回は、Outlook for the web で試しましたが、Word for the web や Excel for the web といったほかのアプリでも同様でした。
--気になったポイント:
実際に試してみていくつか気が付いたできないこともご紹介しておきたいと思います。
1) Office.com の Webサイト複数表示させる
Office.com の Office のポータルサイトは、職場のアカウント、Microsoftアカウントの複数を表示させることはできないようです。複数のアカウントで別タブで開くと、片方はサインアウトされてしまうようです
2) アカウントマネージャーによる切り替え
アカウントマネージャーによるアカウントの切り替えが可能なのは、Office.com のポータルサイト、あるいは 職場のアカウントでサインインしている Office for the web のアプリ上からのみのようです。個人用 Microsoft アカウントでサインインしているアプリからは、アカウントマネージャーによる切り替えはできないようです
いろいろまだ使ってみないとわからない点もありそうですが、今後すべてにリリースが完了するとまたブログにも何らかの情報が上がると思いますが、そうした情報も踏まえて実際に使ってみて確認してみたいと思います。
今回の新しい機能、どこまで利用可能なのか?がまだはっきりわかりませんが、今後こうした機能が広く展開され1つのブラウザの中でシームレスに利用できるようになるのは便利ですね。
<参照>
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