2021年12月11日

互換モードのファイルに挿入されたオブジェクト(画像やWordArtなど)のサイズ変更ができない

互換モードで作成されている Word のファイル内に挿入された 画像やWordArt といったオブジェクトをマウスのドラッグなどの操作で大きさが変更できないというトラブルが発生しています。

20211211-1-1.jpg 20211211-1-2.jpg


【症状および発生環境】

--検証環境:
  • Windows 10 Ver.21H2
  • Word 2016/2019/365 Ver.2111(Build 14701.20226)
    /Ver. 2111 ビルド 16.0.14701.20204
  • Word 97-2003 (互換モード)のファイル
--症状:

20211211-2-1.jpg 20211211-2-2.jpg

互換モードで保存されたファイル内の画像やWordArtといったオブジェクトに文字列の折り返し(四角形、前面、背面など)を設定した場合、マウスのドラッグ操作により、そのオブジェクトのサイズ変更ができません。

文字列の折り返しを解除して、"行内" に設定してあれば、画像、WordArtともにサイズ変更はできるようになります。


【対策】

今回、12/1 に配信されている一つ前のバージョン Ver.2110 (Build 14527.20312) にロールバックして検証してみました。
ロールバックすることで、今回の症状は改善され、問題なくオブジェクトのサイズをマウスのドラッグの操作により変更できることを確認いたしました。

あくまでも暫定的な対策になりますが、以下の方法で一時的に対処するしかないようです。


1) 文字列の折り返しを "行内" に変更する:

一旦、文字列の折り返しの設定を "行内" に変更します。折り返しが解除されると、一時的に画面のレイアウトは崩れますが、ファイルサイズを調整した後、再度折り返しを設定し、"前面"などに変更すれば、レイアウトは元に戻るはずです。


2) オブジェクトを右クリックから書式設定を開いて、オブジェクトのサイズを変更する:

20211211-3-1.jpg 20211211-3-2.jpg

画像や、WordArtなどのオブジェクトを右クリックして、書式設定を開きます。サイズタブを開いて、高さと幅を数値で指定します。


3) ロールバックする:

ロールバック、つまりバージョンダウンして、少なくとも一つ前のバージョンに戻せば問題なく利用できることを確認しています。
詳細は、以前このブログでもご紹介していますが、"ロールバック(バージョンダウン)して検証する" にてご確認ください。

簡単に作業の流れのみご紹介します。

・コマンドプロンプロトを管理者モードで起動します
・cd %programfiles%\Common Files\Microsoft Shared\ClickToRun のコマンドを入力
・続いて、officec2rclient.exe /update user updatetoversion=16.0.14527.20312 と入力します

後は完了するまで待ちます。

20211211-3-3.jpg

ロールバックされた場合、あくまでも一時的な対処法にすぎませんが、"更新オプション" の設定を "更新を無効する" と設定しておかないと自動で更新されてまた症状が再発してしまいますのでご注意ください。

更新を無効にする場合、あまり長い期間無効にすることは望ましくないので、半月あるいは一月ぐらいをめどに一度更新を有効にして最新バージョンに更新しなおしてみてください。

更新後再度確認して問題なければそのまま使用していただければと思いますが、仮にまだ改善されていない場合にはお手数ですが再度ロールバックして、もうしばらくお待ちください。

私も今回この不具合を確認して、フィードバックさせていただいておりますが、現時点でこの症状ががいつ改善されるかはわかりません。


【2021/12/12 更新】

本日、以下の環境でも確認してみました。
  • Windows 11 Insider Dev Channel
  • Word 365 Beta Channel Ver.2112(ビルド14729.20038)
やはり同様に、互換モードのファイルは図形・ワードアートともに操作ができませんでした。

Microsoft コミュニティにもちらほらあがっていますが、描画キャンバスについても同様に操作ができないようです。


【2021/12/13 更新】

続々と関連の不具合が、Microsoft コミュニティにも上がっていますので、ご紹介いたします。


上記いずれのケースも、ロールバックして、 Ver.2110 (Build 14527.20312) に戻すことで、暫定的に回避されているようです。

Beta Channel、Current Channel(Preview)と、Office Insider 版でも同様で、もちろん最新チャンネルでも同様。Microsoft 365 Apps for enterprise などで半期チャンネルで利用されている場合には、バージョンがかなり前になるので、影響はないようですが、最新チャンネルなどをご利用の場合には、互換モードのデータを扱う場合には注意が必要です。


<参照>




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デル株式会社

posted by クリック at 21:12| 東京 ☀| Comment(0) | Word | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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