コンシューマー向けの Microsoft Office の製品には、月ごとに、あるいは年ごとにライセンス契約を更新していく "サブスクリプション版" と、一度購入したらその後は費用のかからない "買い切り版" があります。
後者の "買い切り版" は、どちらかというと 俗称的な言い回しで、正式には、"永続ライセンス版" と言います。
上記の画像にもありますが、
- Microsoft 365 Personal:サブスクリプション版
- Office Home & Business 2021/Office Home & Personal 2021:永続ライセンス版
となりますが、上記のような 統合パッケージ版 はもとより、日本独自のものですが、PCと一緒に販売される プレインストール版、さらには Word 2021、Excel 2021、PowerPoint 2021、Outlook 2021 といった単体製品も、"永続ライセンス版" となります。
** 今回は触れませんが、法人向けだと "サブスクリプション版"、プレインストール版、ボリュームライセンス版など様々なライセンス形態があります。
今回、"永続ライセンス版" のことを時々勘違いされているケースがあるようなので取り上げてみました。
【サブスクリプション版について】
一般コンシューマー、法人向けを問わず増えているのがこちらのライセンス形態になります。
上記の画像にもありますが、文字通り "サブスクリプション版" は、「サブスクリプションは自動的に更新されます。 キャンセルはいつでもでき、それ以降は請求されません」とあるように、一カ月ごと、一年ごとにサブスクリプションの契約を自動又は手動にて更新して契約期間のみ利用が可能になるものです。
利用している期間は、常に最新の Office のアプリが利用可能で、さらにサブスクリプションユーザー(サブスクライバー)向けには、サブスクラーバーにのみ提供される機能や特典が用意されています。
契約さえ続いていれば永遠に使えることになりますが、その利用環境、つまり対応OSは、バージョンが上がれば変わってくるので、その時に提供されいてる Office のバージョンによっては、OSのアップグレード、PC自体の買い替えが必要になるケースもあります。
【永続ライセンス版について】
"永続ライセンス" とあるように、一度買ったらそのライセンスを永続的に保有するという形のもので、このライセンスの購入をしたらこの製品を "永続" 的に使用できます。
上記の画像は、"Microsoft 365 と Office のリソース" の "Office 2021 スイート製品" のところの説明ですが、「家庭向けの Office 2021 スイートは、Word、Excel、PowerPoint などのアプリが含まれている 1 回限りの購入版の製品」とあります。
以前は、アップグレード版のような製品もあった時期がありましたが、現在はこうした永続版のユーザー向けにアップグレード版などの提供はなくなっています。
【永続ライセンス版のサポート期限】
サブスクリプション版は、常に最新の Office 製品が利用できるので、常に更新して使用していれば 契約期間=サポート期間 になるのに対して、永続ライセンス版は、製品の発売度同時に、そのサポート期間が決まっています。
イメージとしては、上記のような形で更新されていくので、サポートの終了日が設定されています。
Office 2019:
提供開始 2018年9月24日 メインストリーム 2023年10月10日 延長ストリーム 2025年10月14日
Office 2021:
提供開始 2021年10月5日 提供終了 2026年10月13日
一応 Office 2021 からは、「継続的にサービスとサポートが提供される」 "モダンライフサイクルポリシー" が適用されていますが、提供終了日はあらかじめ決まっています。
上記の "今後の Windows 10 および Office 長期サービス チャネル (LTSC) リリース" にもありますが、機能的な部分では、固定ライフサイクルポリシーが適用されている Office 2019 までの様に新機能が追加されないものと違って、Office 2021 の場合には、Microsoft 365 の様に、常に新しい機能が追加されるようです。
【永久に使える?】
買い切り版は、一度買ったらそれ以降費用は払う必要はありません。ただしこれまで見てきたようにサポート期間は決まっていますので、Microsoft のサポートを受けられるのはサポート期間内になるので限定的になります。
通常このサポートには、インストールのサポートや、セキュリティの更新プログラムや機能の追加などの提供といったものなどが含まれますがこうしたものが提供されるのは、サポート期間のみになります。
当然ながら、Office 製品に限らず、その土台になる OS にもサポート期限があります。
- サポート期限の切れたOS上で、サポート対象外の Office 製品を使用する
- 最新のOS上で古いサポート期限の切れた Office 製品を使用する など
といった利用は当然サポート対象外になります。
仮に動いたとして、連携されているサービスなどが使用できないなどの関係で、製品自体が正しく動作しなかったり、何かしら不具合が発生しうることもあります。こうした場合、場合によっては PC 自体をリカバリまでする必要が出てくるかもしれません。
もちろん
古いOS上で、その当時サポートされた永続版の Office 製品を使い続ける....
これは可能です。
サブスクリプション版の場合には、契約期限が過ぎれば使うことすらできなくなるのに対して、永続版の場合には使用は可能です。しかしOS にしても Office にしても、サポート期間が終了すると、それらのプログラムの脆弱性が見つかっても修正プログラムが提供されませんので、セキュリティ的にも非常に危険な状態になってしまいます。
今回はあまり深いことには触れませんが、「サポートが終了する」ということを、安易に考えるべきではありません。
それからすれば、"永続版" といっても、"永久にサポートされる" ものでもないし、"永久に使える" という意味ではありませんので注意が必要です。例えば、Office 2021 の統合パッケージなどの "永続版" の場合、2026年10月13日 の提供終了日まで、その間、追加代金が発生することなく "永続的"に使えるという意味になります。
なので新製品が登場するのが、2-3年という周期からすると、数年ごとに新しいバージョンに買い替えるよりは、やはり、サービス内容などトータルで考えると Microsoft 365 Personal のようなサブスクリプション版の方がお得なんでしょうね。
<参照>
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