Part 1 では、"リモートアシスタンス" について、そして、Part 2 では、"クイックアシスト" についてご紹介いたしました。
さて、Part 3 では、遠隔支援とはちょっと異なりますが、似て非なるもう一つの機能 "リモートデスクトップ" についてご紹介いたします。
外出先から、自宅のPCにリモートでアクセスしたい。そんな時に利用できる機能が、この "リモートデスクトップ" となります。Windows、macOS、Android、iOS などのデバイスから、自宅などのWindows 10 の PC などに "リモートデスクトップ" の機能を利用して接続できるようになります。
とはいえ、"リモートアシスタンス" や "クイックアシスト" のようには簡単にいきません。ここでは、あくまでも "リモートデスクトップ" の概要と、同様の機能が利用できるアプリについてご紹介していきます。
【ホストとクライアント】
"リモートデスクトップ" の場合、リモートで接続される側を "ホスト"。そして接続する側を "クライアント" と呼びます。
リモートで接続される側、"ホスト" になる機能は、Windows 10 Pro や、Enterprise などに限られ、Windows 10 Home では、"ホスト" として利用できません。つまり、Windows 10 Pro 以上の OS を利用されていないとこの機能が利用できません。
そしてこの "リモートデスクトップ" を利用するには、ホスト側、クライアント側の双方に設定が必要になります。Windows の標準的な設定の他にも、セキュリティソフトやファイアーウォール、ルーターの設定などネットワークがらみで多方面にわたる設定が必要になるため、ここが "リモートアシスタンス" などのように簡単にはいかない部分です。
【Windows 側の設定】
まずは Windows 側の設定について、ご紹介しましょう。
-- ホスト側の設定:
ホストとして使用するPC(つまりリモートされるPC)については以下のような設定が最低限必要になります。
1) スタート>Windows システムツール>コントロールパネル と開きます
2) システムとセキュリティ>リモートアクセスの許可 と開きます
3) "システムのプロパティ" が表示されますが、リモートデスクトップのデフォルト設定では、"このコンピューターへのリモート接続を許可しない" になっています。こちらを "このコンピューターへのリモート接続を許可する" に変更して、"OK" をクリックします
** ここでワンポイント :
上記の方法の場合、コントロールパネルからの操作になるので、Windows 10 に限らず、Windows 8.1 でも同様です。ただし、Windows 10 の場合には、
スタート>設定>システム>リモートデスクトップ と開いて、 "リモートデスクトップを有効にする" を "オン" にするのが一番簡単です。
またこちらから有効にした場合、"このPCに接続する方法" のところで、クライアント側で接続する際に必要な "コンピューター名" も表示されますので別途調べる手間も省けます。
-- クライアント側の設定:
クライアント側(つまりリモートするPC)には、以下の設定が必要になります
1) スタート>Windowsアクセサリ>リモートデスクトップ接続 とクリックして起動します
2) 表示された画面に、ホスト側のコンピューター名を入力し、"接続" をクリックします
3) "ユーザー名" と "パスワード" を入力して "OK" をクリックします
とこれだけ見ると非常に簡単なように見えますが、実際には、ファイアーウォールの問題、ネットワークエラーだったり、ホストが見つからない、ルーターの設定変更が必要になるなど様々な問題が発生しえます。
これ以降の詳細については上記のようなサイトも参考にしてみてください。外出先から自宅のPCにアクセスするっていうことは、乗り越えないといけない壁がいっぱいありますので、設定もそれなりに大変ですね。
【リモート接続が可能になるアプリ】
さて "リモートデスクトップ" って、思ったより簡単ではない....と思われた方も多いかと思います。口で言うほど簡単ではないわけですね。でも逆に言えば、簡単に接続できてしまうとなると、セキュリティは大丈夫?ということになるわけです。
さてこうした Windows の標準機能として搭載されている "リモートデスクトップ" については、その設定も大変なわけですが、そういった意味では "リモートアシスタンス" を利用して自宅のPCにアクセスするというのも一つの方法ではありますが、これ以外にも実はこうしたものと同様な操作を実現してくれるソフトウェアがいっぱいあります。
そうしたものをいくつかご紹介してみましょう。
1) Team Viewer:
"Team Viewer" は、リモート接続をするためのアプリです。"個人および非商用" の場合には "無料" でも利用可能です。
Team Viewer の無人アクセスの機能を利用すると、まさに外出先から自宅のPCに容易にアクセスできるようになります。
文字通り、Google Chrome を介してリモートデスクトップを実現するための機能になります。
Google Chrome を開いて、「
remotedesktop.google.com/access
」とアドレスに入れるとインストールの画面になります。Chrome以外のブラウザでアクセスすると説明の他、Google Chrome のダウンロードが促されます。3) AnyDisk:
こちらも個人ユーザーであれば無料で利用できるツールになります。
シンプル&高速とも言われています。
上記の他にも無料のものから有償のものまで、様々なものがあります。
当然ながら有償のものであれば利用にあたってのサポートも受けられますので、テレワークなどで、本格的に導入したいという場合には、そうしたサポートも含めて検討されるとよろしいかと思います。
<参照>
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