Windows7には、マルウェア対策としての、Windows DefenderとファイアーウォールとしてのWindowsファイアーウォールが、標準搭載のセキュリティ対策でした。当然ウィルス対策の機能はなかったので、何かしらソフトの導入が必要となっていました。マイクロソフトが配布しているMicrosoft Security Essentialsなんてのもその一つですね。
さてWindows8(CP版)、見た目は一緒なのですが、従来、マルウェア対策でしかなかった、Windows Defenderの機能が強化され、ウィルス対策の機能が追加されました。つまり、Windows8のWindows Defenderには、ウィルス対策も含まれているということになります。
なのでどこが違うのか? 同じくマイクロソフトが配布している、Microsoft Security Essentialsと比較してみました。
<現在配布されているMSE>
Security Essentialsのバージョン: 2.1.1116.0
マルウェア対策クライアントのバージョン: 3.0.8402.0
エンジンのバージョン: 1.1.8202.0
ウィルス対策の定義: 1.123.1566.0
スパイウェア対策の定義: 1.123.1566.0
ネットワーク検査システム エンジンのバージョン: 2.0.8001.0
ネットワーク検査システム定義のバージョン: 11.0.0.0
<Windows8CP版搭載のWindows Defender>
Windows Defender バージョン: 6.2.8250.0
マルウェア対策のクライアント バージョン: 6.2.8250.0
エンジンのバージョン: 1.1.8202.0
ウイルス対策の定義: 1.123.1566.0
スパイウェア対策の定義: 1.123.1566.0
ネットワーク検査システム エンジンのバージョン: 2.0.8001.0
ネットワーク検査システム定義のバージョン: 11.0.0.0
<現在試験版として配布されているMSEのベータ版(英語版のみ)>
Security Essentials Version: 4.0.1512.0
Antimalware Client Virsion: 4.0.1512.0
Engine Version: 1.1.8202.0
Antivirus definition: 1.123.1566.0
Antispyware definition: 1.123.1566.0
Network Inspection System Engine Version: 2.0.8001.0
Network Inspection System Definition Version: 11.0.0
と以上のような感じ。従来、Microsoft Security EssentialsをWindows7などに導入すると自動的に、Windows Defenderは無効化されておりましたが、これはWindows8上でも一緒で、標準搭載の Windows Defender じゃなくってどうしてもMicrosoft Security Essentialsを使いたいんだよって形で導入すると、自動的に Windows Defender は無効化されます。
ただし上記の比較でもわかるように、Windows8上の Windows Defenderのセキュリティ・エンジンのバージョン、そしてそれに伴い更新される定義ファイルのバージョンは、現在配布されているMicrosoft Security Essentialsも、そして現在ベータ版として英語版のみ配布されているものも中身は一緒。つまり、Windows8上では、あえてMicrosoft Security Essentialsは導入する必要はないってことのようです。
もちろんセキュリティソフトは、ソフトによって機能も、検出力も、そしてそのサポートの体制もまちまち。Microsoft Security EssentialsやWindows Defenderじゃ、物足りないという場合には当然サードパーティ製のセキュリティソフトの利用を検討する必要はあります。またOSがこうしたセキュリティの機能を標準搭載してくると、セキュリティソフト各社がどんな特徴のあるセキュリティソフトを投入してくるのか? 逆に、ちょっと楽しみでもあります。