Microsoft が提唱する AI 「Copilot」を利用する上で最適なPCとして「Copilot+ PC」というキーワードが使用されています。
AI を活用する上で、そのパワフルなCPU(超高速NPU)、大容量のメモリ及びドライブ、そして長時間に対応可能なバッテリなど最先端の機能を搭載し、たっぷりとAIを活用してもらおうという目的で、それに対応したPCに対して使用されているキーワードにもなります。
【[Copilot+PC]が大盛況】
今年は、Windows 10 のサポート終了という年でもあり、その買い替え需要も見逃せないわけで、国内外のメーカーを問わずどの会社も、またPCを販売している量販店などでも、[Copilot+PC]を前面にアピールして積極的に販売を展開しています。
上記は、あくまでも一部ですがちょっと検索するだけでPCメーカー各社や販売店から発信されている情報はたくさん確認できます。
【Office 製品がプレインストールされているときには注意が必要】
さてこうした [Copilot+PC] ですが、日本のマーケットの場合、PCと一緒に Microsoft Office 2024 がプレインストールされているものも多々あります。
[Copilot+PC] で、Office とくれば、Office でも、Copilot が活用できるのか?
いゃ、いゃ、そこはちょっと違う例があるので注意が必要です。
-- Word や Excel などの アプリでCopilotを利用するには?
Microsoft Office の Word、Excel、PowerPoint といった各アプリで、Copilot を利用しようとする場合には、従来であれば、
- Microsoft 365 のサブスクリプション
- Copilot Pro のサブスクリプション
の両方の契約が必要でした。
ただし、今年になってから以前にもブロブでもご紹介していますが、
- Microsoft 365 Personal
- Microsoft 365 Family
といったサブスクリプションであれば、値上がりもしましたが ある一定の制限はあっても、Copilot が解禁になって利用可能になりました。もちろんそれ以上バリバリ使用したいという場合には、Copilot Pro のサブスクリプションの契約が必要になります。
そこで、昨今 量販店などで販売されている [Copilot+PC] と謳われているPCを確認してみると、
- Microsoft Office Home & Business 2024
- Microsoft Office Home 2024
がプレインストールされているタイプは従来通り多々ありますが、これに加えて、「Microsoft 365 Basicサブスクリプション」(1年間無料)がついてくるケースが散見されます。
上記の画像は、量販店で「Copilot+PC」として販売されているPCの詳細なスペックを表示した一例です。当然ながらPCのスペックとしては「Copilot+PC」の条件をクリアしています。さらに Microsoft Office がついていて、「Microsoft 365 Basicサブスクリプション」なんてあると、てっきり Word や Excel などでも Copilot が利用できるのかな?と勘違いされている例もあるようですが、「Microsoft Office Home & Business 2024」や「Microsoft Office Home 2024」といった統合パッケージ版では、プレインストール版、POSA版・ダウンロード版などの製品版を問わず、Microsoft Office の各アプリ上では、Copilot の機能は利用できません。
「
Microsoft 365 Basicサブスクリプション」は従来の、「
OneDrive Standard 100」という
Cloud ストレージ プランの名称が変わっただけで、「
クラウド ストレージの価格とプランの比較 」をご覧いただければお分かりいただけるように、このプランでは Office の各デスクトップアプリを利用する権利が含まれておりません。
つまりは、仮に別途 Copilot Pro を契約していたとしても、さらに今回 デスクトップアプリを含まない「Microsoft 365 Basicサブスクリプション」を別途契約したとしても、Office Home & Business 2024 などのアプリとしてついてくる Word や Excel などのアプリ上では、Copilot が利用できるようにはならないわけです。
-- オンライン販売であれば、プレインストール版 Office なしも選択可能:
量販店など一般向けに販売されているものだと、国内のメーカーのものは Office アプリなし はなかなか選択できないケースも多いと思いますが、Office 製品のアリ・ナシを選択できるケースもあります。またPCメーカーのオンラインで販売しているサイトだったりすると、Office なし製品も選択ができるので、Word、Excel、PowerPoint などといったアプリ上で、Copilot を利用できるようにしたいというケースであれば、プレインストール版なしを選択して、別途 Microsoft 365 Personal などのサブスクリプションを契約する方がお得でしょう。
Microsoft 365 Personal などのサブスクリプションも値上がりしましたが、プレインストール版とはいえ、20,000円ぐらいはするでしょうから、その分 費用を抑えられることになります。Microsoft Office Home & Business 2024 にもお金を払って、さらにこれだと Excel で Copilot が利用できないからと言って、改めて Microsoft 365 Personal も契約するとなるとその負担もばかになりません。
-- Microsoft 365 Personal/Family を利用するメリット:
- Officeの各アプリ上で、Copilot Pro の契約をしなくても Copilot が利用可能になる
- 1TB の OneDrive のストレージが利用可能になる
- その人が使用するPC 5台までインストールして同時に使用も可能になる
のようなメリットがあります。
プレインストール版では、そのPCが壊れたりして買い替えたりする場合、プレインストール版は、そのPCでしか使用できないライセンス形態のものであるため、Office製品も買い換えないといけなくなります。
ちなみに、これも見落としがちですが、Microsoft 365 Family の場合には最大6名で、サブスクリプションの共有により Office の各アプリを利用可能になり、ストレージも、1TB 利用できるなど、一見、Microsoft 365 Personal と同じように感じるかもしれませんが、Copilot については、このプランの場合、利用できるのは管理者1名のみで、それ以外の5名のサブスクリプションの共有ユーザーには、Copilot を利用する権利は含まれておりません。
<参照>