Microsoft Excel で作成されたシートを開いて作業をするものの、Excel の反応が今一つで、なかなか応答してくれない。
そんな状況をサポートしてくれるのが「パフォーマンスチェック」ツールです。
Excelの用途は、家庭内からビジネスまで様々なシチュエーションで利用されていてその用途も多様。家計簿に始まって、ウォーキングやジョギングのデータを管理する、毎日の血圧や体温の管理などの健康管理のためのご利用になっているような方から、お仕事で、請求書や見積書を作成していたり、研究用のデータを解析したり、顧客情報の管理に利用したりなどなどと様々です。今回試しに使用してみた上記の画像は、自分で使用している Office の更新情報を管理しているシートです。
Excelは1つのファイルの中に複数のシートで構成されるためファイルのことを本に例えて「ブック」と呼んでいますが、そのブックを構成するシートも、「Excel の仕様と制限」にもありますが、
- ワークシートの行数と列数:1,048,576 行、16,384 列
- ブックのシート:使用可能メモリに依存 (既定値は 1 シート)
- セルが含むことができる合計文字数:32,767 文字 などなど
1つのシートだとしても膨大な量のデータを扱えることになります。
知らず知らずのうちに1つのブックに複数のシートを追加していくと、そのシートの内容やシートの数次第では、Excelのパフォーマンスが低下することは避けられません。
【Excel for the web から提供がスタート】
さてそんなExcelで、パフォーマンスが低下したときに、どんな対策があるのか?
ちょっと難しい話ではありますが、その具体的な事例としては、
といった点をチェックしていかないといけないわけですが、慣れた人でもこれをすべてチェックするのは一苦労です。
以前このブログでも「デスクトップ版 Excel のパフォーマンス向上に新機能!」としてご紹介しましたが、その後、Excel for the web で利用可能になり、さらに Office Insider ユーザー向けに展開されてきました。このあたりの展開状況については、Excel チームのブログの中で時々リンクで紹介されている "Excel Futures Flyer" の中でも「Check Performance」ということで、Windows 向けにも、Ver.2404(ビルド17531,20120)以降 向けに展開がスタートしていることが紹介されています。
【パフォーマンスをチェック】
普段使用している限りではあまり遅いとは感じてはいませんが、普段使用している Office の更新状況をチェックしているシートで試してみました。
あれ?と思うぐらいにいろいろ出てきました。何だろう?と、一つを選択して、内容を確認してみます。
該当のセルの書式設定を見ると、そんなつもりはなかったんですが、こんなところに日付の書式が設定されていました。意外とこういったセルが多いことに自分でもびっくりしました。
取り急ぎそのセルのみ最適化を実行。正常に完了したうえで再度該当セルの書式設定を確認すると、セルの書式が解除されたことが確認できました。
今回はセルの書式程度ですからたいしたことなかったようですが、こうしたものの蓄積が、Excel自体のパフォーマンスを悪化させるわけですね。
「パフォーマンスチェック」ツールでどこまで改善するか?は何とも言えませんが、特定のシートを開いた時に反応が良くないな?と思う時には一度チェックしてみるといいのかもしれませんね。
【2024/11/30更新】
ちなみにこの機能は、以下の製品でご利用可能です。
- Microsoft 365 サブスクリプションをご利用の方
- Office 2024をご利用の方
- Excel 2024 をご利用の方
なので、Excel 2021 のリリース後に追加された機能になるので、Excel2021 までの製品にはこの機能はありません。
<参照>