ちょっと前になりますが、このブログでもいち早く法人ユーザー向けに Office LTSC 2024 のプレビュー版の提供が開始されたことをご紹介いたしました。
Office 2024 の一般向けリリースのスケジュールなどはまだ正式には発表されておりませんが、今年秋〜冬ぐらいにはリリースされるとの見方も多いようです。
さてそんな Office 製品ですが、新たな製品が登場すれば、一方ではサポートが終了する製品もあるわけです。今回は、来年とサポート終了が迫ってきた、Office 2016/Office 2019 について取り上げてみました。
【Office 2019は延長サポートが短い】
まずは、Microsoft の Office 製品のライフサイクルについて確認してみましょう。個別に製品別にライフサイクルで検索してもいいのですが、「ご存じですか? Office にはサポート期限があります」が分かりやすくまとまっています。
Windows 向け Office ですが抜粋してみると、
- Office 2013
メインストリーム終了:2018年04月10日 延長ストリーム終了:2023年04月11日 - Office 2016
メインストリーム終了:2020年10月13日 延長ストリーム終了:2025年10月14日 - Office 2019
メインストリーム終了:2023年10月10日 延長ストリーム終了:2025年10月14日 - Office 2021
メインストリーム終了:2026年10月13日 延長ストリーム:なし
となっています。
Office 2013 はサポートも終了していますからともかく、Office 2016 と、Office 2019 について、そのサポート終了日が一緒なんですね。Office 2016 までは、メインストリーム5年、延長ストリーム5年といった固定ライフサイクルポリシーが基本でしたが、Office 2021 からは、モダンライフサイクルポリシーが適用されて、5年に変更になることが発表されました。(Office for mac はもともと延長ストリームはないので5年間のメインストリームのみになっています)
Office 2019 については、移行期ということもあって、本来であれば延長ストリームをやめたかのかもしれませんけど、Office 2016 のサポート終了に合わせて、2年だけ延長ストリームを追加したような形になっています。そして、Office 2021 からは完全にモダンライフサイクルポリシーへと移行することになりました。
-- Office for mac について:
ちなみに、macOS 向けの Office 製品については、
- Office 2011 for mac提供開始:2010年12月9日 サポート終了日:2017年10月10日
- Office 2016 for mac
提供開始日:2015年9月27日 サポート終了日:2020年10月13日 - Office 2019 for mac
提供開始日:2018年9月24日 サポート終了日:2023年10月10日 - Office 2021 for mac
提供開始日:2021年10月5日 サポート終了日:2026年10月13日
となっています。
基本的に macOS 向けの製品は、既にサポートは終了しておりますが、Office 2016 から、既にメインストリーム5年のみとなっています。そして現在サポート中のものは、Office 2021 と Microsoft 365 のみになります。
【今後どんなタイミングで買い換えたらいいのか?】
日本のマーケットのようにちょっと特殊なプレインストール版として、PCとセット販売されているケースでは結構歯がゆい部分もあったりします。仮に、今、Office 2021 付きの PC を購入したとしても、肝心の Office 2021 がサポートされるのは、あと約2年。Office 2021 の発売直後に買っていれば5年まるまる使えるのに、Office 2024 が販売される前の今の時期は非常に微妙ですよね?
-- もし Office を外せるなら...:
仮に、PCと一緒についてくるプレインストール版の Office をセット販売ではなく、"Office なし" として外せるなら、Office を外して、Office 2024 が出るまでは、"Microsoft 365 Persona"l などを「月更新」として利用して、Office 2024 がでてから、割高になるかもしれませんが、Office 2024 の統合パッケージ版に乗り換える... そんな方法もありなのかもしれません。
あるいは、Office が最初からついていない製品を選択して、Microsoft Office については、これを機に、Microsoft 365 Personal などのサブスクリプションに乗り換えてしまうのも一つの方法です。(Office 自体を外せば、PC自体の価格もその分割安になったりします)
さらにお子さんなどが、すでにPCをお持ちで、そちらの Office も買い換えないといけない時期が近づいていたりし場合には、"Microsoft 365 Family" をご利用になれば、1つの契約で 6人 まで利用できるようになるので、そうしたものも選択肢になってきます。
【Microsoft 365 サービスへの接続】
一応まだ延長ストリーム期間となっている Office 2016 や Office 2019 ではありますが、どちらの製品もメインストーリームは終了しております。このメインストーリームの終了に伴い、実は、Microsoft 365 サービスへの接続もサポート外となっています。
上記サイトにもあるように、Microsoft 365 サービスへのサポートは、メインストーリームが有効な製品のみになっています。
-- Microsoft 365 サービスとは?:
Exchange Online、SharePoint Online、OneDrive への接続などになります。現時点では、Office 2019 でも OneDrive への接続はできていますが、既にサポート終了がアナウンスされているわけなので、いつできなくなってもおかしくない状態なわけです。まだ使えるから大丈夫なんて安易な考えではダメなわけですね。
さらには、TLS1.2 (TLS1.0/1.1の廃止)が必要になるなどセキュリティの仕様変更に伴い接続ができなくなるケースもあるわけです。
-- サポートが終了すると提供されなくサービス:
基本的なことですが、「以前のバージョンの Office から Microsoft 365 Apps へのアップグレードを計画する」の中で、以下のように紹介されています。
- 問題のテクニカル サポート
- 検出された問題のバグ修正
- 検出された脆弱性のセキュリティ修正
確認されたプログラム上の不具合の修正もさることながら、セキュリティの脆弱性についても修正されないわけですから、個人はもとより、企業であったりする場合にはなおさら注意が必要になるわけです。
うちは大丈夫... はあり得ないわけです。そうした認識の低い企業との取引は考えものですよね?
【Office 2021 もサポート終了間近】
タイトルでは、Office 2016/2019 としていますが、冒頭でも取り上げたように Office 2021 も、そのサポート終了日は、2026年10月13日。あと2年です。Office 2021 をご利用の皆さん。あと2年しかないわけですから、こちらのユーザーの皆さんも、ぼちぼち次のことをご検討ください。
<参照>