いつもとちょっとアイコンが変わったな?と思いつつも、"Outlook" を起動してみたら、"新しい Outlook へようこそ" という画面が出てきて、アカウントの追加画面が表示されて、メールが受信できない...
今回はそんなトラブルの一例をご紹介します。
【"新しいOutlook"とは?】
Windows10 あるいは Windows11 向けに展開されている新しいメールアプリになります。"Outlook" とはありますが、従来の "Microsoft Outlook" とは別物です。
今年中には、Windows の標準メールアプリである、メールアプリから、この "新しい Outlook" というメールアプリに代わります。メール、カレンダー、スケジュールなどの機能がこちらに完全に移行する予定です。
従来からある、Officeファミリーのアプリでもある "Microsoft Outlook" は、現在この "新しいOutlook" に対して、"Classic Outlook" と呼ばれるようになりました。
あくまでも現時点では、通常は、"新しい Outlook" が導入されていても、"メールアプリ" も、"Classic Outlook" も削除されることはありません。
【現状では、Classic Outlook が自動で切り替わることはない】
メールアプリの場合には、"新しい Outlook を試してみる" なんていうトグルがありますので、こちらを ON にすることで、"新しい Outlook" に切り替わります。
その後はメールアプリを起動しても、自動的に "新しいOutlook" が起動するようになります。
Microsoft Outlook、いわゆる "Classic Outlook" の場合、以前は、"新しいOutlook" のトグルが表示されていたことがありましたが、現在は表示されなくなりました。少なくとも手元の環境では全く表示されません。
ただし「新しい Outlook for Windows の使用を開始する」でも紹介されていますが、表示されることもあるようです。"Microsoft 365 サブスクリプションの一部としてインストールされている Outlook アプリ (バージョン 2303 ビルド 16227.20318) を使用している場合" ということで触れられいますが、現在は Ver.2403(ビルド17425.20146)なので、かなり以前のものの場合あったようです。
なのでほとんどの場合こうしたところを誤って自動的に切り替わるというケースはないものと思われます。
【メールアプリから、"新しいOutlook"へ】
Windows 10 や Windows 11 のメールアプリの場合、通常は、画面右上にある "新しいOutlookを試してみる" のトグルをONにすることで、"新しい Outlook" のインストールと、アカウントの移行が行われます。
これまでにも何度か取り上げた中で、
のところでもご紹介したように、"新しいOutlook" への切り替えを促すようなコメントが表示されることはありました。
何らかの形でこちらが ON になった場合には、それ以降は、メールアプリを起動しても、自動的に "新しい Outlook" が起動するようになります。
この場合、"新しいOutlook" の 右上にある "新しいOutlook" のトグルを、"オフ" にすることで、元の "メールアプリ" が起動するようになります。
ただし、「新しい Outlook for Windows の展開の概要」にもありますが、Windows 11 Ver.23H2 については、"新しい Outlook" がプレインストールされます。
【ストアアプリ版のOffice の場合に注意が必要】
さてここまでは、"新しい Outlook" をめぐる一般的な内容についてご紹介してきたわけですが、ここからが今回の本題でもある、"Classic Outlook が new Outlook に切り替わった?" についてトラブルの事例をご紹介します。
日本の場合、日本独自のシステムでPCメーカーが、PCとセットで Microsoft Office を提供する "プレインストール版" という Microsoft Office の統合パッケージがあります。
さてこのプレインストール版の Office 製品で、Office 2016 や Office 2019 の時に、"ストアアプリ版" と呼ばれる特殊な 統合パッケージが提供されていたことがありました。(現在は、ストアアプリ版は新規には提供されていません)
このストアアプリ版ですが、
- 他の製品との連携ができない
- 更新の際に、一部のアプリがうまく更新できずに削除されてしまうことがある
- アプリの表示が英語表示になってしまう
- SCANPST など利用できない機能がある
などトラブルも多く、こうしたトラブルを機に、クイック実行版へ切り替えてご利用の方も多いのではないでしょうか?
先ほども触れましたが、"Classic Outlook" が、"新しい Outlook" に切り替わってしまうことはほとんどないはずなわけですが、ストアアプリ版の場合、更新を機に "Classic Outlook" が削除されてしまって、残っているのが、メールアプリに代わるためインストールされた "新しい Outlook" のみになってしまうことがあります。
タイミングが悪くトラブルが重なるようなこのケースで、"classic Outlook" が "新しい Outlook" に切り替わってしまったと、勘違いされているケースがあるようですが、この場合には切り替わったのではなくて、単純に "Classic Outlook" が削除されたことになります。
-- 対処法:
さてそんな場合の対処法です。ストアアプリ版の Office 2016/2019 は、既に新規提供が終了しているため、Outlook のみ再度インストールしなおすこともできなくなっていますので、クイック実行版の Microsoft Office を入れなおす必要があります。
この場合には、
- 一旦ストアアプリ版の Office 2016/2019 自体を削除する
- 初回導入時に紐づけされた Microsoft アカウントにサインインします
- "サービスとサブスクリプション" を開いて、"購入済みの製品" のところからインストールしなおします
- 正常にアプリのインストールが完了したら、Microsoft Outlook にアカウントを設定します
- 設定完了後、ドキュメントフォルダ>Outlookファイル に残っているPSTデータなどがあればインポートしなおしてください
上記の画像にもあるように、現時点では本来であれば "新しいOutlook"、"Classic Outlook" ともに共存するわけです。
【"アカウントの検出"という画面から進まない】
ところで今回こうした事例をいろいろ見ている際に、アカウントを削除したり、トグルのON/OFFを試したりといろいろやっていたんですが、その際に確認された不具合についてもご紹介しておきます。
メールアプリの設定上は、"新しいOutlook" を使う設定が有効のままの状態。この状態のまま、新しいOutlook をいったんやめて、メールアプリに戻そうと、"新しいOutlook" のアカウント設定を削除したとします。
その後 再度 メールアプリを起動しようとすると、自動的に "新しいOutlook" に切り替わって起動するようですが、この場合本来であれば、アカウントを自動的に検出して、再設定に行ってくれるはずのようですが、この状態になってしまうようです。
上記のように、"アカウントの検出" という画面が出たままで全く進まない....
-- 対処法:
あくまでも現段階(メールアプリがまだ利用できる段階)でのものですが、いったん、スタートメニューから、"新しい Outlook" を右クリックしてアンインストールします。
これで、いったんメールアプリを起動すると、Microsoft Store からアプリを探すといった画面になりますので、OKですすみます。すると Microsoft Store アプリが起動して、"新しい Outlook" が表示されますので、インストールしなおします。
インストール完了後は、自動的にメールアプリのアカウントを引き継いだ状態で、"新しい Outlook" が起動するようになります。
** Microsoft Store からアプリを探すといった画面になったところで、何もないところをクリックしていったんこのダイアログを終了します。その後、改めて メールアプリ を起動。すると、"新しい Outlook" のトグルが "オフ" の状態で起動してきますので、この状態から再度 "オン" に切り替えても、新しい Outlook のインストールが可能です。
<参照>