ちょっと前までは "Outlook" といえば、"Microsoft Outlook" の一択でした。
その後、live.jp や、msn.co.jp、hotmail.com などの Microsoft アカウントで使用されるドメインにも outlook.com、outlook.jp などといった "Outlook" が加わりました。Web メールは、"Outlook on the web" とか、"Outlook.com" とも呼ばれており、この段階でも、Microsoft コミュニティなどでの書き込みを見ても Microsoft Outlook なのか? Outlook.com なのか? その判別のつきにくい投稿が増えてきて混乱している感も否めませんでした。
そしてさらに今年に入ってから、このブログでもご紹介した新たに "Outlook for mac" の無料提供 や、"Outlook for Windows" といった新たな "Outlook" ブランドが導入されて、もう "Outlook" があちこちで乱立している状況になってきました。ということで、ここで現在利用できる "Outlook" について整理してみました。
【Web版か? デスクトップ版か?】
Outlook を大きく分けると、その利用形態から、ブラウザを介して利用する "Web 版" なのか? それとも、PCやモバイルデバイスなどにインストールして利用する "デスクトップ版" なのか? による違いで区分けできます。
- Web版:
Outlook.com、Outlook on the web(OWA) - デスクトップ版:
Microsoft Outlook(Windows 版、Mac版)、Outlook for Windows
1) Web版:
ブラウザを介して利用するもので、一般個人向けのサービスとしては、"outlook.com" が、また学校・職場向けサービスとしては、"outlook on the web" としてサービスが展開されています。使い方としては、ブラウザを介して利用するということで Webメールという形では一緒ですが、
- 個人向け:Outlook.com
- 仕事・学校アカウント向け:Outlook on the web
と区分けされているようです。
** 「デスクトップ アプリのような web バージョンOutlookを使用する」の中などでも、Web バージョンの Outlook について別名称で取り扱われています。
2) デスクトップ版:
従来からあるいわゆる "Outlook" と呼ばれるものが、"Microsoft Outlook" となります。
- Windows 版:
Microsoft Outlook 2019/2021/Microsoft 365
Outlook for Windows - Mac 版:
Microsoft Outlook 2019/2021/Microsoft 365
先日もこのブログでご紹介しましたが、Mac 向けに無料で提供されるようになったのは、"Outlook for Mac" で、Mac 版の "Microsoft Outlook" と同じ製品になります。App Store を開いても、Microsoft 365 のサブスクリプションに含まれるなんて表示もあったりします。
試しに直接ダウンロードしてみると、Microsoft Outlook のインストーラーパッケージがダウンロードされます。
ただし上記の TechCommunity のブログにもあるように、サブスクリプションがないと、広告が表示されるようになるようです。
一方で 先日ご紹介した "Outlook for Windows" は、Microsoft Outlook とは別の製品で、Windows 10 や Windows 11 に無料で提供されている メールアプリの後継となるものになります。Microsoft Store 経由で配布されているストアアプリとなります。アイコンは、Microsoft Outlook と同じですが、現在は Preview版を意味する "PRE" がついています。今後これがどのように区分けされるかは、今のところ分からないので、今後も注視していく必要があります。
【機能的な違い】
デスクトップ版か? Web版か? でも機能に違いはありますが、同じデスクトップ版でも、Windows 向けの製品では当然ながらメールアプリの延長になる "Outlook for windows" と "Microsoft Outlook" では機能に違いがあります。Mac 版は、広告の有無の違いのようで、アプリとしては同じもののようです。
-- Windows 向け "Outlook" の違い:
ということで、ここでは Windows 向けの Outlook の違いについてみていきます。
「新しい Outlook for Windows の概要」の中では、"主要な Outlook 機能のサポート" として、"Outlook on the web"、"Outlook for Windows"、"Windowsメールアプリ"、"Windows用の新しい Outlook" の各製品における主な機能のサポート状況が説明されています。
- メールをピン留めする
- 電子メールをスヌーズする
- マイデイビュー
- 受信トレイルール
- 会話の設定
- ループコンポーネント
- Microsoft 365 アカウント
- Outlook.com アカウント
- サードパーティアカウント(Gmail、Yahooメールなど)
- 複数アカウントのサポート
- PSTファイルのサポート
- 委任
- 共有メールボックス
- オフラインサポート
- Webアドイン
- COMアドイン
といった各項目の違いがあります。その詳細については、「新しい Outlook for Windows の概要」をご参照ください。
** ちなみに "Outlook for Windows" というのが、わかりずらいのですが、従来 Windows 向けに提供されている "Microsoft Outlook" になります。
以前にご紹介した「「メール」アプリから、「Outlook for Windows」へ 〜新しい「Outlook for Windows」 Part 1」の中でも、その外観について触れていますが、見た目は Outlook.com と一緒です。主な機能についてみてもほぼ一緒なので、Windows 向けのメールアプリが進化して、Outlook.com に近づいたといった感じです。
こうしてPCで利用される Outlook にもいろいろあるのに、ここに Android や、iOS などのモバイルデバイス向けにも "Outlook" があったりするわけです。
同じ "Outlook" でも、似て非なるもの...ってことですね。
<参照>