最近ちょくちょく見かけるようになったこのエラー。正確には、「組織のポリシーによりこの操作を完了できません。ヘルプ担当者にお問い合わせください。」という内容のもの。
今回は、Microsoft Outlook でメールを受信。そのメールの中のハイパーリンクをクリックすると、こうしたエラーが表示されて開けないというものでした。
今回確認した環境では、
- Windows 10 21H2(Build 19044.1949)
- Microsoft Outlook(Microsoft Office Home & Business 2013)
という状況でした。
「ヘルプ担当者にお問い合わせください」って言われても、ヘルプ担当者って誰?だよ...ってことになっちゃいますよね。
だいぶ前ですが、
という事例を取り上げたこともありました。ハイパーリンクが機能しないという点では似た事例です。
この時も、Internet Explorer が深くかかわっていたわけですが、今回の事例も、Internet Explorer 11 とやはり関連があるようです。
【2022年6月15日 Internet Explorer 11 のサポートが終了】
ご存じのように、Windows 10 向けの Internet Explorer 11 は、2022年6月15日付でサポートが終了しました。これに伴い、Microsoft Edge などほかのブラウザの利用が推奨されるようになりました。
もちろん Windows 10 に搭載されている Internet Explorer 11 がその対象なので、Windows 8.1 に搭載されている Internet Explorer 11 は、この対象外です。当然ながら、すでにサポートが終了している Windows 7 の場合には、Internet Explorer 11 も当然ながら、Microsoft Edge ですらサポート対象外になっています。
【使わないから削除しちゃえ...に注意】
Windows 11 には最初から、プログラムの一覧やデスクトップなどに、Internet Explorer 11 のアイコンなどはありません。ただしアイコンがないからと言って、Internet Explorer 11 の実行プログラムが全くないわけでもありません。ただし単独で実行しても、Microsoft Edge が起動してくるだけで、Internet Explorer 11 が起動するわけでもありません。
一方サポートが終了した Windows 10 の場合には、Windows アクセサリを開けば、メニューにも、Internet Explorer 11 はありますし、デスクトップなどにショートカットアイコンなどがあったりするケースも多々あると思います。
ただしこれも、既定では、Intetnet Explorer 11 をクリックしても、自動的に Microsoft Edge にリダイレクトされて Microsoft Edge が起動したりするようになっています。もちろんこの設定は、Microsoft Edge 側の設定を変更することで、上記のように Internet Explorer 11 が普通に起動したりもします。ただしその場合にも、画面下部にサポート終了を訴えるメッセージが表示されたりします。
現時点では、Windows 10 の Internet Explorer 11 はこんな感じですので、単体でも全く利用できないわけでもないわけです。しかし、Yahooをはじめ、Google など大手のサイトはどんどん Internet Explorer 11 はサポート対象外になってきており、Microsoft 関連でも、Office for the web などもすでに Internet Explorer では利用できなくなっています。
--まだまだ必要な Intetnet Explorer 11:
「どうせ使えないなら削除してしまえぇ〜」って思われている方もいらっしゃることでしょう。あるいは使わない前提で既に削除されてしまっているケースもちらほらお聞きしています。
実は今回のトラブルは、こうした状況で、Internet Explorer 11 を削除してしまったケースに発生するトラブルになります。
Internet Explorer 11 については、そんな事情で利用できないサイトも増えていますが、あれだけ長期間かけてアナウンスしてつい先日のサポート終了に至ったにもかかわらず、企業内システムや、あるいは一部企業が運営するウェブサイトでは、相変わらず Internet Explorer 11 でないと利用できないサイトやシステムが使用されていたりします。
当然そうした方々は、Internet Explorer 11 を削除することなどはないと思いますが、そうした方々のために、Microsoft Edge には、「Internet Explorerモード」が用意されています。
「Intetent Explorer モード」とはいえ、Google Chrome の拡張機能で、IE環境を実現するための「IE Tab」とはちょっと違って、Microsoft Edge の中で、ちゃんと Internet Explorer 11 が動作しているわけで、このためには、Internet Explorer 11 を削除することはできません。
Office 2013 あたりだとどうも、Internet Explorer 11 を削除してしまうと、ハイパーリンクが正しく動作しなくなることがあるようです。
--削除した Internet Explorer 11 を再インストールする:
今回は、時間もなかったのでレジストリやポリシーなどもうちょっと細かいところまでは調べられませんでしたが、取り急ぎ、回避策としては削除してしまった Internet Explorer 11 を再インストールすることのようでした。
Office 2013 は、2023年4月11日にはサポートが終了してしまいますから、すでに Office 2019 や Office 2021、あるいは Microsoft 365 などに乗り換えていらっしゃる場合には、このトラブルに遭遇するケースは低いかもしれません。今回確認した環境は、あくまでも Windows 10 配下で、Office 2013 を利用しているケースでしたので....。
しかし、Windows 7 あたりの PC から、Widnows 8.1、そして Windows 10 とアップグレードしてきたりする場合で、プレインストール版の Office 2013 をご利用というケースには注意が必要かもしれません。
ということで利用環境にもよると思いますが、使わないからと言って、Internet Explorer 11 を削除してしまうとトラブルになるケースもあるようなので、ご注意ください。
<参照>