Windows 8.1 以降に導入された「高速スタートアップ」。
ちょっと前まで利用できていたデバイスが突然認識しなくなった、PCの動きがおかしい...などちょっとしたトラブルの場合には、この「高速スタートアップ」を無効にしてシャットダウンし、再起動することで改善するケースが多々あったります。
この「高速スタートアップ」を無効にしてシャットダウンすることを「完全シャットダウン」と言ったりしています。
今回はこの操作方法について、一部勘違いされているケースも見かけるので取り上げてみました。
【「高速スタートアップ」とは?】
「高速スタートアップ」とは、PC の シャットダウン時に デバイス情報(CPUやメモリーの状態)などを保持することで、次の起動にかかる時間を短縮を可能にする機能です。
この設定自体は、
コントロールパネル > ハードウェアとサウンド > 電源オプション と開いて、「電源ボタンの動作の選択」と開くと設定変更が可能です。
「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックすることで、オン・オフが切り替えられるようになります。
-- 本当に「高速」なのか?:
この辺りはちょっと気になるところですね。PCを長く利用すれば、レジストリの情報もいらない情報も残ってたりして肥大する。さらには、その他 PC のハード・ソフト面での要因に伴い、これが有効だからと言って、必ずしも「高速」な起動が実現しているとも言い切れないかと思います。
-- 高速スタートアップと通常の起動の違い:
ちょっとその起動の違いについて簡単にご紹介しておきましょう。
「スタートアップとシャットダウンの優れたエクスペリエンスを提供する」によると「すべてのユーザー セッション (セッション 1) がログオフし、残りの情報が休止状態ファイルに書き込まれることです。 この状態から PC を起動すると、Windows は、Windows、ドライバー、デバイス、およびサービスが初期化されるフル ブート プロセスを実行せずに、以前に初期化された状態を休止状態ファイルから読み取って、読み込みます」
つまり通常は、電源を投入して、BIOSが読み込まれた後、Windowsが、ドライバ、デバイスなどのサービスの初期化を行います。ただし高速スタートアップが動作しているとこの部分は、前回終了時に保存された休止状態ファイル(Hiberfil.sys)を読み込むだけで済むので、その分スタートが高速化されるという仕組みです。
【完全シャットダウンの実行】
さて「高速スタートアップ」ですが、冒頭でもちょっと触れましたが、これが有効だとうまく動作しないことが続いたりします。その場合に試すのが「完全シャットダウン」。つまり 休止状態ファイルを残さずに、完全に電源をきること。こうすることで、次回起動時には、ドライバーやサービスの初期化という作業から再度行って起動するため、軽微なトラブルの回避につながったりします。
この際の操作として、
- 高速スタートアップを無効にする
- マウス&キー操作による完全シャットダウンを行う
といった方法があります。
1) 高速スタートアップを無効にする:
起動が多少遅くなってもかまわないから、正しく動作する環境を構築したいといった場合には、冒頭でご紹介した電源オプションの画面から、高速スタートアップのチェックを外して、オフにします。
2) マウス&キー操作による完全シャットダウンを行う:
このキー操作による完全シャットダウン。要するに一時的に終了時に休止ファイルに情報を残さないようにして再起動する方法です。通常の方法でシャットダウンすると、高速スタートアップが有効だと、休止ファイルに情報が残ってしまいますので、以下の方法で行います。
- Shiftキーを押したままシャットダウン:
この操作で完全シャットダウンになりますので、電源が切れたら普通に再度電源を入れて起動しなおします。 - PCの再起動:
完全シャットダウン+再起動 を一緒に行う場合には、実は、「再起動」をクリックするだけでOKです。 - Shiftキーを押したまま再起動:
Shiftキーを押したまま、再起動をクリックすると、オプションの選択画面が表示されるので、そこから、「PCの電源を切る」をクリックします。これで完全シャットダウンとなります。セーフモード起動する際にもこの操作は有効です。
上記でもお分かりいただけると思いますが、
スタートボタン > 電源 > 再起動
といった操作をするだけで、
「完全シャットダウン」+「再起動」
ができるわけです。
時々、Shift キーを押しながら、シャットダウン という「完全シャットダウン」の操作と同じような感覚で、Shift キーを押しながら 再起動 をクリックしているケースを見かけますが、この場合、「オプションの選択」画面 を呼び出すための操作になります。
Windows 10 や Windows 11 など昨今のPCでは、「完全シャットダウン」+「再起動」を実現するだけであれば、単純に「電源」>「再起動」とするだけでいいだけです。
<参照>