デフォルトの設定では、Excel で CSVファイル を開こうとすると、「データ損失の可能性」「このブックをカンマ区切り(csv)形式で保存すると、一部の機能が失われる可能性があります。機能が失わないようにするには、Excel ファイル形式で保存してください」と表示され、「次回から表示しない」「名前を付けて保存」のいずれかの選択を要求されます。
もしここで、「次回から表示しない」をクリックしたら、次回からはこうした警告は表示されなくなります。今回はこうして表示されなくなった警告を再表示する方法についてご紹介いたします。
【CSVファイルとその警告内容】
まずは基本的なことから確認していきましょう。
-- "CSVファイル" とは?:
上記の画像は一例ですが、"CSVファイル" とは、"comma separated values" の略で、文字通り、"カンマ区切りデータ" を意味します。テキストデータが、カンマで区切られたデータになります。余計な書式情報を持たないシンプルな形式のテキストデータです。
テキストデータなので、メモ帳で開くともできます。
-- なぜ、この警告が表示されるのか?:
シンプルなデータ形式ですが、これを Excel で開いて、グラフや書式情報を追加したとしましょう。保存の際、そうした様々な情報が追加されたとしても、再度CSVファイルとして保存してしまうと、そうした情報は保持されず、再び単純なテキストデータのみになってしまいます。
なので、「このブックをカンマ区切り(csv)形式で保存すると、一部の機能が失われる可能性があります」と表示されるわけです。
せっかく Excel でいろいろ作業されて、グラフを作成したり、関数を使用したり、さらには様々な条件や書式を設定したのであれば、「機能が失わないようにするには、Excel ファイル形式で保存してください」とあるように、Excel 形式で保存しないとそうした情報は保持されないものもありますよ?という警告になります。
こうした意味もあって、"CSVファイル" を Excel で開いたときに最初にこうした「データ損失の可能性」という警告のダイアログが表示されるわけです。
【「次回から表示しない」をクリックしてしまった場合】
この警告の画面が表示されて、「×」で閉じて、CSVデータとして作業する、あるいは「名前を付けて保存」として、Excelファイルとして保存しなおして引き続き、Excel ファイルとして作業をする.... そんな場合には、それでいいわけですが、うっかり「次回から表示しない」をクリックしてしまうと、CSVファイルをダブルクリックしても、この警告のダイアログは表示されなくなります。
デフォルトでは表示されるので、表示されるPCと非表示になったPCで確認してみたところ、「次回から表示しない」をクリックすることで、レジストリに以下のキーが追加されることがわかりました。
-- 追加される場所:
¥HEKY_CURRENT_USER\SOFTWARE¥Microosft¥Office\16.0¥Excel\Option
-- 追加されるキー:
ShowCSVDataLossWarning
-- 設定値:
0: 表示しない
1: 表示する
となります。(上記の例では、"表示する" 設定に変更した例)
もちろん、警告が表示された際に「次回から表示しない」をクリックしない限り、このキーは生成されないので、このキー自体を削除することでも、再度警告が表示されるようになります。
** 検証環境:
- Windows 10 21H2(Build19044.1889)
- Excel for Microsoft 365 Ver.2207(Build15427.20210)
【セキュリティの警告はトラストセンターから設定変更が可能】
ところで、Excelのメッセージバーに表示されるメッセージには今回ご紹介したもの以外にもセキュリティの警告などもあったりします。
こちらの場合には、「メッセージ バーのセキュリティの警告を有効または無効にする」にもあるように、
- Excelを起動し、ファイル>オプション とクリックして、Excel のオプションダイアログを表示します
- トラストセンター(左ペイン) > トラストセンターの設定(右ペイン)をクリックして開きます
- トラストセンターのダイアログが開いたら、左ペインの "メッセージバー" を開いて設定を変更します
で変更が可能です。
ということで、今回は、「データ損失の可能性」という警告メッセージの再表示について取り上げてみました。
【2022/08/15更新】
* 検証環境の情報を追加いたしました。
【2023/07/06更新】
コメントにて情報をいただきました。今回の警告のメッセージ。Excel のオプションダイアログから設定が変更できるようです。
わざわざレジストリをいじるよりこちらの方が簡単ですね。
以前からあったものなのか?その後追加されたものなのか?この辺りはよくわかりませんが、とにもかくにも、簡単に修正できるのであればそれがいちばんですね。
<参照>