以前に、従来の プロダクトキーを使用しない Office のライセンス認証 についてご紹介させていただきました。
この中でもご紹介していますが、現在はまだまだこうした新しい方式に移行しつつある段階なので、すべてがこうした方式ではなく、メーカーによっても異なることなどもご紹介いたしました。
もちろんこの方式になっているのは、量販店や、正規代理店などから購入した POSA版や、ダウンロード版ではなく、PCと一緒に購入しているプレインストール版でのお話になります。
さてこの新しい方式。では、いったい何という言い方をしたらいいものか?と思ってさらに確認してみました。
マイクロソフトの日本語の Web サイトって日本語が非常にわかりずらい上、肝心なところが意味不明だったりします。ということで、改めてUSサイトも比較しつつ確認してみました。
【"Digital Product Key" とは?】
新たに始まったこの新しいアクティベーション方式を説明しているのが以下のサイト。
上記サイトにも一応「"Office を取得しました" というメッセージが表示された場合は、プロダクト キーなしで新しい Office 製品をアクティブ化し、Microsoft アカウントに追加できます」と説明されています。
まさにこれが新しい方式なわけですね。
そして現在のアクティベーション方法について説明しているのが以下のサイトです。
上記サイトの、US版だと、「Activate an Office purchase or offer that's included on a new Windows device」の部分になるわけですが、日本語版では肝心のこの部分では、「選択するオプションは、デバイスにプロダクト キーが含まれているか、含まれていないかによって異なります」となっています。
もっとも日本の Office 製品のプレインストール版 事情という、海外とは違った事情が背景にあるので、状況に応じて「PCに搭載されたOfficeをセットアップする」のサイトを参考にしてください... ということのようです。
でもこの中でUSサイトでは、「Activate an Office purchase or offer that's included on a new Windows device」のところで、「A digital product key is transmitted to your PC, so you won't need or receive a printed product key.」と説明されています。
ということで、従来のような紙に記載されたプロダクトキーがついてこないこの新しい方式は "digital product key" が利用されているということのようです。
-- Digital Product Key によるライセンス認証:
最初にご紹介した「新しい PC で購入済みまたは無料プランの Office をアクティブ化する」にもありますが、流れとしては以下のようになります。
- インターネットに接続された環境で、Word や Excel などいずれかのアプリを起動する
- 「Officeを利用できます」という画面が表示されます。ただしここの段階で、Microsoftアカウントでのサインインが求められますので、事前に用意しておくのがポイントです
- Microsoftアカウントでサインインすると、ご使用の製品がサインインしたMicroosftアカウントに紐づけされます
- あとは画面に従って、「次へ」をクリックして進みます
詳細は、「[Office 2021] パソコンの購入後に初めてOfficeを使うときの設定方法を教えてください/富士通」を参考にしてみてください。
ここでポイントになるのは、実際に使用する段になって慌てて Microsoft アカウントを取得するのではなく、Office製品 を起動する前に Microsoft アカウントを事前に取得しておくこと。富士通のWebサイトにも 事前準備 のところでは、
- インターネットへの接続について
- Microsoftアカウントについて
と、2つのポイントが指摘されています。
ここで使用する Microsoft アカウントは誤って設定してしまうと大変なことになります。加えてこれが分からなくなってしまうと製品が使用できなくなってしまうなどのトラブルの要因ともなりえます。
ゆえに事前にちゃんと取得しておいて、Microsoftアカウントで使用しているメールアドレスとパスワードはきちんと管理し、なくさないようにしてください。さらにここで作成したアカウントには定期的にアクセスする必要もあります。くれぐれもご注意ください。
-- Microsoftアカウント取得にあたってのよくあるトラブル:
- メールアドレスの入力間違い
- メールアドレスやパスワードが分からなくなってしまう
- Microsoftアカウントに全くアクセスしていないためアカウントにロックがかかってしまう あるいは 削除されてしまう
こうしたことには特に注意して、Microsoftアカウント取得後もしっかり管理してください。
さらにPCを複数台ご使用のケースで、同じ製品を同一のMicroosftアカウントに紐づけすることも避けなくてはいけません。Microsoft アカウントの サービスとサブスクリプション に登録された "購入済みの製品" の情報からは、製品名とその製品が追加された日付しか表示されません。以前のようにプロダクトキーは表示されません。なので製品の管理には注意が必要です。
本当なら、Windows のログインもローカルアカウントじゃなくって、Microsoft アカウントを使用するようにするといいんでしょう。
【新しいサブスクリプションの提供方式】
今回ご紹介した、「Office のライセンス認証を行う」のところを見ると、いわゆる日本仕様のプレインストール版のほかに、Microsoft 365 サブスクリプションの新しい提供方式も説明されています。
私はまだ日本ではこうした製品が導入されている例は見たことありませんが、"Microsoft 365 Personal" が試用版としてプレインストールされているというケースもあるんですね。あくまでも試用版なので、公式サイトからダウンロードするのと一緒で、1か月間のみ試用期間として利用できるようになるようです。
この場合、試用期間中に購入手続きに進むか? サブスクリプションを購入してアカウントに追加しないと試用期間でもある1か月間経過後は使用できなくなってしまいます。
今後どうなるのか? わかりませんが、Office 製品が未導入のPCなどだったりすると、こうした試用版が入っているというケースもでてくるのかもしれませんね。
前回に続いて、今回ご紹介しているこの新しい方式。どうやら 2021年の秋、そう Windows 11 および Office 2021 の登場のタイミングから採用されだしているもののようです。その時点でまだ販売中だった Office 2019 についても、これを機にこの方式が取り入れられ、おそらくそれ以降に出荷されたPCにプレインストールされている Office 2019 でも新しい Digital Product Key 方式になっているものもあるようです。
<参照>