今回は、ファイルのバックアップについてご紹介してきましたが、最後に、Office 製品で作成されたデータの自動バックアップについて、おまけとしてご紹介しておきます。
【Office 製品におけるデータの自動バックアップ】
Office 製品の各アプリには、"自動回復" の機能はありますが、自動的にデータをバックアップする機能はありません。"自動回復" とは、Excel などの各種Office アプリケーションを使用中にフリーズしてしまうなどの事情で、アプリケーションが強制終了されてしまった、あるいは強制終了せざるをえない場合に、再起動後に、作業中のデータを復元するための機能になります。
一応その設定については、
- Excel などの Office のアプリを起動
- ファイル>オプション として、"オプション" のダイアログを表示
- 左ペインの "保存" をクリックすると、各種設定が表示されます
こちらの画面で、その有効・無効、保存するタイミング(時間)を設定しておきます。
-- 自動バックアップ:
さてこれに対して、Microsoft 365 サブスクライバー向けには、OneDrive や SharePoint に保存されているファイルについては、"自動保存" の機能が利用できます。今回ファイルのバックアップについてご紹介していますが、まさにバックアップという機能になります。
あくまでも、OneDrive や SharePoint 上に保存されているデータに限定されますが、こちらから呼び出されたファイルについては、自動的にデータが保存されるようになります。
OneDrive や SharePoint 上に保存されたデータを開くと、画面左上の、自動保存がオンになっています。
上記の画像にもあるように、タイトルバーのところには、そのファイル名が表示されており、そこには 最終更新日時が表示されています。そしてそのファイル名のところをクリックすると、ファイル名/保存場所が表示され、さらにその下にある "ファイル履歴" をクリックすると、右ペインに作業ウィンドウが表示されて、そこにそのファイルの更新履歴が表示されます。
誤って上書き保存してしまった場合には、履歴をたどって上書き保存する前の状態に戻すことも可能です。
-- 自動保存を有効にする:
新規作成の段階では、当然データは、OneDrive や SharePoint といったクラウド上に保存されているわけではありません。なので、当然ながら "自動保存" は、"オフ" の状態です。
手動で、画面左上の "自動保存" を "オン" にします。保存先の選択画面が出てきますので、表示された OneDrive や、SharePoint をクリックします。
いったんクラウド上に保存するため、”ブックに名前を付けてください” というダイアログボックスが表示されるので、ファイル名を入力し "OK" をクリックします。
これでデータはクラウド上に保存され、画面左上の自動保存が有効になった状態で作業が続行できるようになります。
今後はデータは自動保存されるので、名前を付けて保存などの作業は不要になります。
なお保存の際に保存先のドライブが表示されますが、これは、以下にもあるように、Microsoftアカウントでサインインしていて、さらに "接続済みサービス" に追加されているドライブが表示されます。
【OneDrive に保存されているデータとバージョン履歴】
今回は "ファイル履歴" を取り上げましたので、OneDrive へのバックアップについては省かせていただきました。しかし最後に、ちょこっとだけ OneDrive や SharePoint といったクラウド上へのバックアップについてもご紹介しておきます。
-- 無料で利用できる容量は5Gまで:
今回あえて、OneDrive を外したのは、無料で利用できる容量が 5G しかないので、当然使い方によってはすぐにいっぱいになってしまいます。しかし、Microsoft 365 Personal などのサブスクリプションのご契約がある方にとっては、1TB の領域が利用できるので使わない手はありません。
もちろん有料ではありますが、100GB 単位で追加の容量を増やしてご利用いただくことも可能です。
-- "バージョンの履歴" が利用可能:
OneDrive 上に保存されているデータは、Office、画像、動画などの種類を問わず "バージョン履歴" という機能を利用して、古いデータが自動的にバックアップされています。
誤って上書き保存してしまった画像データを元に戻すことも可能です。
このバージョン履歴は、例えば一般向けの Microsoft 365 Personal の場合には、過去25バージョンまで取得できます。OneDrive も利用可能な方はぜひともご活用ください。
<参照>