「Windows の基本操作 Vol.2022-04-1 ファイルのバックアップ Part 1」では、バックアップ機能全般についてご紹介いたしました。
さて Part 2 では、データのバックアップ機能に的を絞ってご紹介いたします。
「Windows の基本操作 Vol.2022-04-1 ファイルのバックアップ Part 1」の中でもご紹介しましたが、Windows に標準搭載されているバックアップ機能には大きく分けて4つあります。このうち、実際に作成した文書データや画像などのバックアップを取る機能には....
- ファイル履歴
- システムイメージ
といった機能を使用することになります。
ただし "システムイメージ" は、システムを丸ごとイメージとしてバックアップするもので、個別にデータの復元ができるわけではないため、さらに的を絞って今回このシリーズで取り上げるのは、「ファイル履歴」とさせていただきます。
また、"OneDrive にバックアップ" するという機能もありますが、こちらはインターネットにつながっている必要もあり、さらに容量によってはサブスクリプションなどの契約がないといけないケースも出てくるため、今回はオフラインでも利用できる機能ということで、こちらも省略させていただきます。
ではさっそく、改めて "ファイル履歴" についてみていくことにしましょう。
【"ファイル履歴" とは?】
"ファイル履歴" という機能は、Windows 8 以降に搭載された機能になります。「Windows のファイル履歴(Windows8.1)」の中でも紹介されていますが、
ドキュメント、音楽、画像、ビデオ、デスクトップフォルダー、および PC 上でオフラインで使用可能な OneDrive ファイルに含まれるファイルのコピーのみがバックアップされます
とあるように、利用者が保存したデータを自動バックアップするための機能です。この機能は、Windows 10/11 でも引き続き利用が可能です。
【"ファイル履歴" を使用するために必要なもの】
- OS: Windows 8 以降のOS。Windows 10、Windows 11 にも搭載されています。
- ドライブ: バックアップ先として、Windows のシステムがインストールされているドライブとは別ドライブが必要になります
注意)エクスプローラーを開いたときに、仮に "Cドライブ" と、"Dドライブ" と2つのドライブがあっても、1つのディスクドライブを2つのパーティッションで区切られているだけの場合、同じディスクドライブになるので、バックアップドライブとしては利用できません。
-- 用意するもの:
外付けのHDDドライブ、USBメモリ、SDカードなどといったものにバックアップを取ることができます。基本的には定期的に自動でバックアップさせることになりますので、常時接続しておくことをお勧めいたします。
【"ファイル履歴" の設定】
設定は簡単です。
- スタートボタン > 設定 > 更新とセキュリティ とクリックします
- 左ペインの、"バックアップ" をクリックして、"ファイル履歴を使用してバックアップ" のところを、"オン" にします
以上。基本的な設定は簡単ですよね。では続いて細かい設定についてみていきましょう。
-- バックアップオプションの設定:
"バックアップオプション" では、バックアップを取るタイミングや、バックアップするフォルダを具体的に設定可能です。すべてバックアップするとなるとデータ量もかなりのものになるので、ドキュメントやピクチャーフォルダーなどバックアップする場所を限定しておくことで、バックアップドライブをより有効に活用できることにもなります。
- スタートボタン > 設定 > 更新とセキュリティ とクリックします
- 左ペインの、"バックアップ" をクリックして、"ファイル履歴を使用してバックアップ" のところで、"その他のオプション" をクリックします
- バックアップを実行するタイミング(時間)、ファイル保持期間、対象フォルダ、除外するフォルダ を適宜選択します
"ファイル履歴を使用してバックアップ" のところを、"オン" にすればすぐにバックアップはスタートしますが、任意のタイミングでバックアップを実行したい場合には、"バックアップオプション" のところから、"今すぐバックアップ" をクリックすればいつでもスタートいたします。
その "概要" には、現在のバックアップ状況の情報が表示されます。
【バックアップされたデータを復元する】
復元する方法としては、まるまる一気に復元する方法の他、データを個別に復元することも可能です。システムイメージとして保存されているわけではないので、ここが "ファイル履歴" の便利なところです。
では具体的に復元方法についてみていくことにしましょう。
1) 2つの復元方法:
--ファイルやフォルダを一気に復元する:
- スタートボタン > 設定 > 更新とセキュリティ と開きます
- 左ペインの "バックアップ" をクリックして、"ファイル履歴を使用してバックアップ" のところの、"その他のオプション" をクリックします
- "関連設定" のところにある、"現在のバックアップからファイルを復元" をクリックします
- "ファイル履歴" のダイアログが表示されます。最新の情報が表示されます
- ここで検索などを利用して、復元ポイントを遡ってファイルやフォルダを選択して "元の場所に復元します" という 復元ボタンをクリックすれば復元がスタートします
- フォルダ内のデータをすべて復元する場合には、フォルダを選択して。さらにフォルダ内の特定のファイルを復元したい場合には、フォルダをダブルクリックしてフォルダ内のファイルを表示させ、選択してから復元を行います
** 補足 **
ここの "復元ボタン" を右クリックするか? さらには "ファイル履歴" の画面の右上の設定ボタンをクリックしても、そのまま同じ場所に復元か? 指定した場所に復元するか? の選択が可能です。
--データを個別に復元する:
個別にデータから直接復元する場合には、 "以前のバージョンの復元" を利用することでも可能です。
- ファイルやフォルダを右クリックして、"以前のバージョンの復元" をクリックします
- こうすることで、ファイルやフォルダのプロパティダイアログが表示され、"以前のバージョン" タブが開かれます
- "ファイルのバージョン" のところにその履歴が表示されますので、"更新日時" から適宜復元したいポイントを選択し、復元します。
この際、復元するのではなく、内容を確認するために "開く" だけでもいいし、ファイルを復元することも、また復元先を選択することも可能です。上書き保存されてしまったデータなどで、上書きされる前の状態に戻したいし、さらに上書きされた現在のデータも残しておきたいという場合には、復元先を指定すれば、現在のものとは別にデータが復元されます。
2) 古いデータを削除する:
今回この記事を書きながら自分の "FileHistory" フォルダを見ていると、デスクトップなどでは、過去にキャプチャーしたデータでごみ箱から削除したようなものまでたっぷり残っていたので、時々整理しないと無駄に容量を使うことになるんだな?と改めて実感いたしましたので、合わせて過去のファイル履歴の削除方法についてもご紹介させていただきます。
- スタートボタン > 設定 > 更新とセキュリティ と開きます
- 左ペインの "バックアップ" をクリックして、"ファイル履歴を使用してバックアップ" のところの、"その他のオプション" をクリックします
- "バックアップオプション" の画面が表示されたら、下にスクロールすると "関連設定" のところに "詳細設定の表示" というリンクがありますのでクリックします
- "ファイル履歴" というダイアログが表示されるので、左ペインの "詳細設定" をクリックし、詳細設定のところの、"古いバージョンのクリーンアップ" をクリックします
- "ファイル履歴のクリーンアップ" というダイアログが表示されますので、"ファイルの削除" のところから、いつから前のものを削除するのか?を適宜選択し、"クリーンアップ" をクリックしするとスタートします
- "クリーンアップは正常に完了しました" と表示されれば完了です
いかがでしょう。Windows 8 以降に搭載された "ファイル履歴" という機能。まだご利用でなければ、いざという時の大切なデータのバックアップのために活用してみてください。
<参照>