"LZH" という圧縮ファイル形式。日本では、かつてはフリーウェアの配布などでもよく利用されていました。もちろんまだまだこの形式で配布されているものも多数あります。
Windows 7 や Windows 8/8.1 のころから、Windows 10 の時代に突入したぐらいまでは、Windows でも OS の機能としてサポートされておりましたが、その後、そのファイルの脆弱性が発覚。この脆弱性を解決できないため、その使用を作者自身が本人のWebサイトで呼びかけるに至ったという経緯のあるものです。
そうしたセキュリティの問題もあって、Windows 10 Version 1703(Creators Update)以降サポートされなくなった LZHという圧縮形式なので、Windows 標準の機能ではこの形式のファイルを扱うことはできません。
【LZH 形式を扱うにはアーカイバーが必要】
OS標準機能としてはサポートされなくなったものの、個人の方がこの形式で配布しているフリーウェアや、データはまだまだあったりします。
自分自身でアーカイバーを利用して、LZHに圧縮して使用するのであったり、信頼できるところから配布されているものであれば LZH形式でも大丈夫なんだよね?ということで、LZH形式自体は、現在も個人ユーザーを中心に使用されています。
なのでインターネットからこの形式のファイルをダウンロードしないといけない場合には、その配布先にはくれぐれも注意していただく必要があります。もちろんメールでこの形式のファイルが見知らぬ人から来た...なんて場合には絶対開けちゃダメです。
-- アーカイバー:
圧縮・解凍するソフトのことを "アーカイバー" と言います。国内でいうと、窓の杜やら、Vectorなどといったフリーウェアなどを提供している大手サイトに行けば様々なものがあります。
例: Lhaca、Lhaplus、7-zip などなど
ただしこうしたアーカイバーによっても、様々なセキュリティ上の脆弱性を抱えているものもありますので、ご使用にあたってはくれぐれもご注意ください。
常に最新バージョンをご利用いただくこと、またIPAなどで公開される情報に注意して、脆弱性が報告された場合には速やかに使用を中止し、修正されるまでその使用を控える必要があります。
こうした背景を見ると、OS標準からは外れてしまったということも納得いくわけですね。加えて言うとこのファイル形式は日本では使用されていますが、海外ではほとんど使用されていないので、そうした事情もあったかと思います。
当然ですが、先日リリースされた "Windows 11" でもサポートされておりません。
ということで、今回はちょっと懐かしさも感じる "LZH" について取り上げてみました。
<参照>