2021年02月12日

会社で使用している Office では使えるのに自宅の Office では使用できない機能 Part 2

Part 1 では、主に買い切り版とサブスクリプション版、法人向けと一般向けという違いでご紹介いたしました。


しかし日本には、日本独自の製品展開が行われているため、商品構成がさらに複雑になっています。

日本の一般ユーザーの方は、Office 製品を別途購入して使用する...というよりも、まだまだ新しいPCを購入する際に、Office製品付という製品を選択される方の方が多いかもしれません。こうしたPC購入時に一緒についてくる Office 製品を "プレインストール版" と言います。

今回は、NECや、富士通、東芝、DELL、HPなど日本で販売されているPCで、Office付として販売されているプレインストール版に焦点を当ててみます。


【プレインストール版にも一般ユーザー向けと法人向けがある】

すでにご存じの方も多いかと思いますが、一般にプレインストール版といっても、一般ユーザー向けのものと、法人向けのものがあります。

一番の違いは、Microsoft アカウントとの紐付けが必要か?否か?の違いです。ある特定のユーザーアカウントと紐づかないのが、法人向けプレインストール版の特徴でもあります。

1) 一般ユーザー向けプレインストール版:
・クイック実行版
・Microsoft Storeアプリ版

2) 法人向けプレインストール版:
・クイック実行版

またプレインストール版の場合、Office 2016/2019 などの一部では、Storeアプリ版が導入されているケースも多々あります。Storeアプリ版の場合、利用できるフォントが少ないなどクイック実行版に比べて機能が多少異なることもあります。

-- 確認方法:

1) Word や Excel などを起動します
2) ファイル>アカウント 

と開くと "〜のバージョン情報" とありますので、こちらに表示されたバージョンのところで確認できます。
ここに、"クイック実行" とあるか? "Microsoft Store" とあるか? によります。

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--プレインストール版の種類:

プレインストール版として提供されていたもので、現在もサポートが続いている製品には以下のようなものがあります。
  • Office 2013
  • Office 2016
  • Office 2019
  • Office Premium(Personal、Home&Business、Professional)
現在提供されているプレインストール版のほとんどは、いわゆる一般に販売されている統合パッケージ版と同じ買い切り版という扱いになります。ただし、一部以前に販売された Office Premium シリーズは、Office 365 サービス(こちらについては、1年のみ無料)とプラスして、当初のOffice 365 Solo のサブスクリプション版とほぼ同じような感じで常に最新版が利用できるお得な製品もありました。ただし現在は販売されておりません。


--Microsoftアカウントとの紐づけ:

プレインストール版の場合バージョンによって変わります。
  • Office 2013 ⇒ Microsoft アカウントと紐づかない
  • Office 2016/2019/Preium ⇒ Microsoft アカウントと紐づく
** Office 2013 のプレインストール版の場合には、Microsoft アカウントと紐づきませんので、再インストールの際には、PCと一緒に同梱されていた、プロダクトキーが必要になります。但しインストールの際に Microsoftアカウントでのサインインは求められます。

それ以外の製品は、Microsoft アカウントと紐づきますので、再インストールの際には、最初にインストールの際に利用されたMicrosoft アカウントにてサインインして行う必要があります。

法人向け製品:

法人向けのプレインストール版は、先ほども書きましたが、特定の Microsoft アカウントとは紐づきませんので、再インストールの際には、都度同梱のプロダクトキーを利用して行う必要があります。


【更新頻度によるバージョンの違い】

さていよいよ本題ともいえる機能の違いについてみていきます。プレインストール版には、先ほどもご紹介したように クイック実行版Microsoft Store版 があります。

この2つの製品ですが、同じ、Office 2016/2019 であったとしても、Updateの進み具合は異なります。大きな理由の一つに、Microsoft Store版は、クイック実行版のようにバージョンダウンができないため、更新のリリースが、通常よりも慎重に行われているという事情があります。
クイック実行版であれば、Updateしてみて更新プログラムが要因であれば、ロールバックすることで指定のバージョンまで戻ることができます。これに対して Microsoft Store 版は、それができません。

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ここでバージョンの違いが発生してきます。当然バージョンが異なれば、最新版で追加されている機能などは未搭載ということになります。

Office Premium シリーズの場合には、基本的には、Microsoft 365 Personal と同様にバージョンが進んでいきますが、法人向けの Microsoft 365(最新チャンネル) とは、やはりバージョンの進み方は多少異なります。

実際にここ数年更新の配信状況を確認していると、イメージ的には上記のような感じで更新プログラムが配信されてきているようです。


【新機能のリリースには同じバージョンでも異なることがある】

新しい機能が搭載されますよ?といったニュースを見たりすると、なんか?ワクワクして、いざ自分のPCで確認してみると、バージョンとしては、すでに搭載済みのはずなのに、まだ搭載されていない... なんてこともあります。


これは、上記でもご紹介しましたが、"制限されたロールアウト" によるものです。

新機能をリリースする際、新機能のリリースとともにすべてのユーザーに提供せずに、順次その適用範囲を広げていくという形で提供されることがあります。

この場合には、自分のPCで利用できるようになるまで待つ以外には何もできません。こうしたケースでも機能に違いが発生することがあるわけですね。


Part 1/Part 2 で見てきたように、ご利用の製品によって、こうした様々な事情によりバージョンの進み具合が異なります。これにより一時的なケースもありますが、既知の問題の修正状況や利用できる機能に違いがでてくるわけです。


<参照>




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posted by クリック at 11:27| 東京 ☀| Comment(0) | MicrosoftOffice共通 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする