いつも通り Wi-Fi を利用してインターネットにつないでいたら、"この Wi-Fi ネットワークでは以前のセキュリティ標準が使用されています" と表示された.... さてどう対処したらいいのでしょうか?
これは文字通り "以前のセキュリティ標準" によって、Wi-Fi に接続されているために表示されるメッセージです。WEP や TKIP といった通信規格や暗号化規格で Wi-Fi に接続された時に表示されます。
今回ご紹介したメッセージは、Windows 10 の方から表示されるものですが、セキュリティ対策ソフトやスマートフォンなどからも警告が表示されるケースもあります。
【通信規格と暗号化規格】
Wi-Fi を利用して接続するため、Wi-Fi の電波の発信元になる "無線ルーター" と "デバイス" 間の通信を成立させるための規格があります。
1つは "通信規格"、そしてもう一つが、"暗号化規格" になります。WEP とか、WPA なんて言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。
いずれかが古かったりすると、今回ご紹介したようなメッセージが表示されます。
--WEP とは?:
古い通信規格であり暗号化規格です。古いネットワーク機器だと、これしか利用できないというケースもあるかもしれませんが、WEPによる規格は、かなり前からその危険性が指摘されております。
通信規格としては、
WEP < WPA < WPA2 < WPA3
WEP < WPA < WPA2 < WPA3
といった順で、セキュリティがより強くなり、
暗号化規格としては、
TKIP < AES
といった順で、暗号化の種類が強固になっています。
一般的にこの通信規格と暗号化規格の組み合わせとしては、
WEP
WPA/TKIP
WPA/AES
WPA2/TKIP
WPA2/AES
といったものがあります。
WEPは危険... ということはご存知の方も多いでしょうから、"WPA" でつないでいるよ?とおっしゃる方も多いかもしれませんが、WPA/TKIPで接続されていたりするケースでも、今回のような警告のメッセージが表示されるわけです。
例えばちょっと古いNTTルーターの無線の機能を利用しているような例だと以下のような機器がこれに該当します。
-- ネットワーク機器の一例:
例えば上記の無線の機能の場合には、既定値が、WPA-PSK(TKIP)になっています。もちろんルーターの管理画面に入って設定を変更すれば、WPA2(AES)による接続も可能です。
意図せずに現在ご利用の無線ルーターやモバイルルーターなどの設定が、今回ご紹介したようなセキュリティレベルの低い状態になっている場合には設定の変更が要求されることになります。
【Windows 10 では、Ver.1903 以降 から警告が表示される】
さてこうした警告のメッセージ。これはいつから表示されるようになったんでしょう。Windows 10 の DOCS のページ "現在開発中の Windows 10 の機能" で確認してみました。
こちらの情報からすると、Ver.1903 以降からのようです。さらに、"これらの古い暗号Wi-Fiネットワークへの接続は許可されません" ともあることから将来的にはこちらへの接続自体ができなくなってしまうようですね...。
【ルーター側の設定変更】
こうした警告を表示させないためには、現在ご利用中の無線ルーターやモバイルルーター側の無線設定を変更する必要があります。
無線ルーターの設定変更については、ご使用の機器によって設定方法が異なりますので、こちらでは触れませんが、詳細はルーターのメーカーやレンタル品の場合には提供元などにご確認ください。
また仮に、無線ルーターがこうした古い規格にしか対応していないようなケースでは、無線ルーターの買い替えも必要になってきます。
上記のサイトには、Buffalo が確認した iPhone での例が提示されていますが、ぜひこちらも参考にしてみてください。
昨今のセキュリティ事情からすれば、WPA3 だと古い無線ルーターだと対応していないケースもあり、無理なこともあるので、最低限 WPA2/AES による接続が必要と考えたほうがよろしいでしょう。
通信規格やセキュリティの設定はどんどんより高いものへと変わりつつあります。WPA3といっても、すでに盗聴する方法が見つかっているなどその脆弱性は常に伴います。定期的なルーターのファームウェアの更新や、こうした最新情報への配慮は忘れないほうがいいですね。
<参照>