Excel に新たな配列関数 "XLOOKUP" が登場します。
とは言え、やっとまだ一部の Office Insider(Fast Ring) ユーザーに展開されているだけで、私もそうですが、Fast Ring のユーザーであってもまだまだ利用できない人の方が多いので、一般向けに提供されるのはもうちょっと先になるかと思います。
でもどんな感じになるのか?待ちきれなかったので簡単にご紹介いたします。
LOOKUP関数といえば、
・VLOOKUP
・HLOOKUP
・LOOKUP
といった機能別に言うと "検索/行列"関数 に含まれるものです。
皆さんもリストから所定のデータを抽出したりする際に、よく利用されている方も多いかと思います。
例えば、Webページで紹介されている例と似たようなものを作成してみました。
上記のような形で、VLOOKUP だと、 "=VLOOKUP(G4,C5:D8,2,FALSE)" といった計算式を作成して、2列目のデータを検索させます。
XLOOKUP を利用すると、"=XVLOOKUP(G4,C5:C8,D5:D8)" のように、検索値の入力されているセル、検索するデータの入力されている範囲、それに該当するデータの範囲を指定するだけのシンプルな操作で可能になります。
うちのExcelだとまだ対応していないので、上記の画像では計算式を設定したセルには ”#NAME?” のエラーになっていますが、これは、この関数がまだ利用できないためです。
【VLOOKUP の制限】
ブログの中では、XLOOKUP の誕生は、VLOOKUP にあったいくつかの制限を克服するために投入されたとあります。
1) VLOOKUP関数は、デフォルトでは、"近似値一致" であり、"完全一致" として検索するには、引数に "FALSE" を入れないといけない
2) 列の挿入/削除をサポートしていないため、値の範囲の前に列が挿入されたりすると計算式を再設定しなおす必要がある
3) VLOOKUPだと、常に左側の検索値に対応した右側の列の値が返ってくるので、左側の値を指定することができません
など
なるほどそうだったな?と思えることばかり。
最後にもありましたが大きな表だったりするとパフォーマンスが低下するなんてのも、あるあるですね。
【今後の展開について】
さてこの関数の登場で、VLOOKUP や XLOOKUP はどうなるのか?
Tech Community のブログによれば、引き続き有効ではあるものの、エラーが起きにくい XLOOKUP の利用を推しているようです。
今回この XLOOKUP 関数に加えて、同様に Preview 版として XMATCH 関数 の提供もスタートしています。
さて今回ご紹介した XLOOKUP 関数。サポートページなどもできてはいるようですが、繰り返しますがまだまだ、現時点では Office Insider(Fast Ring)のそれも 一部のユーザー にのみ提供されているにすぎません。Office Insider であってもすべての Insider 向けにはまだ提供されておりません。
なのでうちの Office Insider 版 ではまだ利用できないので具体的にどんな感じかご紹介できませんが、順次展開されていくものと思われますので数か月のうちに利用できるようになった折にはぜひ試してみたいと思っています。
また今後の展開として、Office Insider 向けに一通り提供されると、Office 365 サブスクライバー向けに順次展開されます。
Office Home & Business 2016/2019 などの買い切り版や、Excel2016/2019 などの単体製品では利用できませんのでご注意ください。
<参照>
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